ブレーキ引きずりの原因と確認方法 修理費用はいくらかかるか 放置すると大変なことに

車を運転していて、なんか車の動きが重い感じがする。

アクセルを戻すとブレーキを踏んだときのように減速する。

走行中キーキーと変な音がする。

最近、燃費が悪くなった。

などと感じたことはありませんか?

そのような症状はブレーキの引きずりが原因です。

ブレーキの引きずりは放置すると大変なことになってしまいます。

ブレーキの引きずりとは、ブレーキが常にかかっている状態を言います。

ブレーキペダルを軽く踏んだ状態で走行しているということになりますね。

そのような状態で走行すると、ブレーキが熱をもって効きが悪くなったりして非常に危険です。

また、燃費も悪くなるし、ブレーキパッドもすぐに減ってしまいます

ブレーキの引きずりは放置すると大変なことになってしまうので、一刻も早く修理しなければなりません。

 

ディスクキャリパー

 

この記事では、ブレーキが引きずる原因と、その確認方法、直す為の修理費用はいくらかかるのか、などを元ディーラー整備士が解説します。

 

ブレーキが引きずる原因は何か

 

ブレーキが引きずる原因を簡単に言うと、ブレーキの錆びによるものです。

ディスクブレーキの場合は、ブレーキキャリパーのピストンの錆びと、キャリパーを固定しているスライドピンの錆びの二つの原因が考えられます。

ブレーキキャリパーのピストンが錆びると、ブレーキペダルを離してもピストンが戻らなくなってしまい、ディスクパッドはディスクローターに押しつけられた状態となり、ブレーキの引きずりを起こしてしまいます。

ブレーキキャリパーのピストンは、ダストブーツというゴムのシールによって外部からの水分などが侵入しないようになっていますが、ゴムの劣化などによってひび割れなどが発生し、水分が侵入してしまい錆びを発生させてしまいます

また、ブレーキオイルを長期間交換していない場合にも、ブレーキの引きずりを起こす原因となってしまいます。

ブレーキオイルは空気中の水分を吸収しやすい性質のものなので、長い間交換しないでいると、ブレーキオイルに水分が混じった状態となってしまいます。

その混じった水分のせいでブレーキキャリパー内に錆びが発生しやすくなって、ブレーキの引きずりを起こしてしまいます。

ですから、ブレーキオイルは最低でも車検ごとに交換することをおすすめします。

 

ブレーキ引きずりの確認方法

 

オートマチック車のシフト

 

まずは、車のギヤをニュートラルにした状態で車が軽く動くかどうかを確認します。

緩い坂道などで行なうとわかりやすいです。

坂道でブレーキを踏んだ状態でギヤをニュートラルの位置にして、ブレーキを離した時に車がなんの抵抗もなく下っていけばブレーキの引きずりは大丈夫でしょう。

また、オートマチック車ではクリープ現象を確認することで、ブレーキの引きずりを確認できることもできます。

クリープ現象とは、オートマチック車がトルクコンバーターの働きで、ギヤをDレンジ又はRレンジに入れた時に、アクセルを踏まなくても車がゆっくりと進む現象です。

アクセルを踏めば車は進むが、アクセルを離したら進まない、という場合はブレーキの引きずりが疑われます。(ただし、車によってはクリープしない車もあるので注意が必要です。)

また、ブレーキの引きずりは、車の外観から判断することもできます。

ブレーキが引きずっていれば、ディスクパットは常にディスクローターに押さえつけられているので、そのぶんディスクパットのカスがホイールに付着しやすくなります。

左右でホイールの汚れ具合が違かったら、汚れがひどいほうのブレーキが引きずっている可能性があります。

それでも判断が難しい場合には、今度は車をジャッキアップしてタイヤを浮かせます。

その状態で、タイヤを手で回してみて回転が重いかどうかを確認します。

手でスムーズに回って、なおかつ手を離した時にしばらく回転していればブレーキの引きずりは大丈夫です。

ただし、駆動輪のタイヤの場合(前輪駆動車の場合は前側、後輪駆動車の場合は後ろ側)はデフなどの抵抗があるので解りずらいこともあります。

回転が重いと感じたら、タイヤを外してディスクキャリパーの動きをみます。

ディスクキャリパーが片押し式の場合は、手でディスクキャリパーを軸方向に動かしてみて、スライドピンの固着を点検します。

この時にキャリパーがスムーズに動けばスライドピンの固着は無いと思っていいでしょう。

スライドピンに異常がなければ、あとはディスクキャリパーのピストンの固着が考えられます。

ディスクキャリパーを外して、ピストンをウォーターポンププライヤーなどで咥えて押した時に、ピストンが軽い力で戻るかどうかを点検します。

この時に、ウォーターポンププライヤーでは全然戻らない、となった時にはピストンの固着が考えられます。

ただし、ここで注意しなければならないのは、ブレーキの引きずりの原因はディスクキャリパーだけが原因では無い、ということです。

ブレーキの引きずりは、ブレーキマスターシリンダーの不具合でも起こります。

ブレーキマスターシリンダーの中のピストンが錆びで動きが悪くなったりすると、ブレーキペダルが踏まれている状態と同じになってしまうので、ブレーキオイルの圧力がディスクキャリパーのピストンにかかったままの状態になってしまいます。

そうなってしまうと、ブレーキは引きずりを起こしてしまいます。

ブレーキキャリパーをオーバーホールする前に、一度ブレーキホースを緩めて、ブレーキオイルの圧力を解放した時にブレーキの引きずりが直れば、ブレーキ引きずりの原因はブレーキマスターシリンダーにあった、ということが言えるでしょう。

 

ブレーキ引きずりの修理費用はいくらかかるか

 

ディスクキャリパーオーバーホール

 

ブレーキの引きずりで、原因がディスクキャリパーのピストンの錆びにあった場合は、ディスクキャリパーのオーバーホールが必要になるので、キャリパーのシールキットの部品代とブレーキオイル代、そこに工賃がかかります。

また、ピストンはきれいに錆びを落とすことで再使用することができますが、ピストンに腐食があり再使用できない場合には、ピストンも交換になります。

そして、ごくまれにではありますが、ディスクキャリパー本体のほうに腐食があった場合には、ディスクキャリパーも交換が必要になってしまうので、ディスクキャリパーアッセンブリの交換になってしまうこともあります。

ですから、工賃も部品代もその時の状況によって違うので、フロント側左右を行なったとして、おおよそ2万円~5万円ほどと幅広くなってしまいます。

後ろのブレーキも一緒に行なえば、その2倍と考えていいでしょう。

それと、当然のごとくブレーキの修理は車種や整備工場によって値段が違うので、参考程度に受け止めてください。

 

ブレーキのオーバーホールは普通、片方だけ行なうということはありません。

なぜならオーバーホールをすることによって、ピストンの動きが良くなるので、片方だけ行なうと左右の効きに差がでてしまい、ブレーキを踏んだ時にハンドルをどちらかにとられる可能性がでてきます。

ですから、仮に左側だけが引きずっていた場合でも、右側も同時にオーバーホール必要があります。

 

 

ブレーキキャリパーのオーバーホールは定期的に行なったほうが良い理由とは

 

摩耗したディスクパットとディスクローター

 

ディスクキャリパーのシールは、ディスクパットなどと同じく、消耗品と捉えたほうがいいです。

ディスクキャリパーのシールはゴムでできた製品なので、ピストンが動くたびに摩耗はするし、年数が経てば劣化もします。

筆者がディーラーで車検をしていた頃は、4年ごとにディスクキャリパーのオーバーホールをして、シールキットを交換していました。

それが当たり前のことだったのですが、近年はブレーキの引きずりが無い限りはそのようなことはしません。

確かに、シールの材質もよくなり、昔ほどはブレーキのオーバーホールが必要になるような車は少なくなりました。

しかし、それでもたまにはそのような車があるのも事実です。

ブレーキは車を止めるという重要な部品なので、なにかあってからでは遅いです。

少なくとも、10年以上経過している車などは、ブレーキのトラブルが出る前に、ディスクキャリパーのオーバーホールは一度は行なっておいたほうがいいでしょう

 

ブレーキ引きずりの修理時間

 

ブレーキの引きずりは、突然起こることはなく、少しづつ症状がでてきます。

ですから、車を運転していてもだんだんと引きずりが強くなってくるので、わかりずらいです。

ディスクパットが完全に減ってしまい、ディスクパットの鉄の部分とディスクローターが当たって、ギーギーと音がするので整備工場で見てもらったら、ブレーキがひきずっていた、というふうに、整備工場に入庫するまで気づかなかった、という場合が多いです。

もう、そうなってしまうと、ブレーキの引きずりを直さないと車は乗って帰ることはできません。

当然、部品などは手配しないといけないし、修理時間もディスクキャリパーをオーバーホールしなければならない時には時間もかかります。

なので、車は整備工場にお泊まりということになります。

整備工場の混雑状況にもよりますが、ブレーキ引きずりを直すのには早くても丸一日はかかります

ブレーキ引きずりの修理は、車検などと違って予約をとってからということはまず無いです。

どうしても予約の仕事が優先になってしまうので、空いた時間に手をつける形になってしまうことが多いです。

ですから、整備工場によっては2~3日、場合によっては、1週間ほどかかってしまうこともあるかも知れません。

 

まとめ


 

ブレーキ引きずりの原因は、ディスクキャリパーの錆びによるところが大半です。

ブレーキ引きずりを放っておくと、ディスクパットはすぐに減ってしまい、ディスクローターにも損傷を与えてしまいます。

そうなってしまうと、ブレーキが効かなくなってしまうこともあり、事故を起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。

ブレーキの引きずりは、定期的なメンテナンスをきちんと行なうことで予防することができます

 

 

 

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車を買い変える時には、下取りに出すよりも買い取り専門の業者で買い取ってもらったほうが断然お得です。

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