コンプレッションゲージの使い方と圧縮圧力の測定方法を詳しく解説!

コンプレッションゲージ

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この記事ではコンプレッションゲージ(テスター)の使い方を解説しています。

 

エンジンの圧縮圧力を測定するにはコンプレッションゲージが不可欠です。

 

コンプレッションゲージは正しい使い方をしないと正確な数値が測定できません。

 

普段自動車整備をしている人でもコンプレッションゲージを使ったことが無い、という方もなかにはいると思います。

 

コンプレションゲージという物は知っているけれどどうやって使うの?

 

正しい使い方って何?

 

コンプレションゲージっていくらくらいするの?

 

などとお悩みの方に、自動車整備歴30年以上の筆者が解りやすく解説します。

 

コンプレッションゲージ(テスター)の使い方

 

今回使用したコンプレッションゲージはストレート製です。


 

使用した車両はステップワゴン RG1 です。

 

まずは、エンジンをクランキングした時に燃料が出ないように燃料系のヒューズを外します。

 

クランキングをした時に燃料が噴射されてしまうと、引火してしまう可能性もあるので大変危険です。

 

ガソリンエンジンのコンプレッションゲージの使い方は、まずコンプレッションゲージを取り付ける為にスパークプラグを全数外します。

 

スパークプラグを全数外す理由

 

スパークプラグが付いているとそのシリンダーは圧縮抵抗を受けてしまいクランキングのスピードが遅くなってしまいます。

 

その結果、正確なコンプレッションが測定できず、実際のコンプレッションより低くなってしまいます。

 

スパークプラグを外すことで、測定するシリンダー以外の圧縮抵抗をゼロにすることができます。

 

そうすればスターターを回した時に、クランキングがスムーズになり正確なコンプレッションの測定ができます。

 

それと、バッテリーは満充電でないとクランキングの力も弱くなってしまうのでコンプレッションも正確に測定できません。

 

また、コンプレッションを測る時には、スロットルは全開です。

 

スロットルを全開にする理由は、スロットルが閉じていると吸入空気量が少ないので圧縮圧力が下がってしまう為です。

 

ひとつのシリンダーのコンプレッションの測定が終わったら下の画像の黄色の矢印で指したボタンを押して圧を逃がしてやってからコンプレッションゲージを取り外します。

 

コンプレッションゲージのリリースボタン

 

 

ステップワゴンRG1のエンジンのコンプレッション測定結果なのですが

 

コンプレッションゲージの測定値

 

 

このような結果になりました。

 

ゲージの指針は1280Kpaくらいです。

 

距離数が10万kmを超えているのでエンジンのコンプレョンも少し落ちているかなと思ったのですが、以外にそんなこともなく満足のいく数値でした。

 

4気筒全部測ってそれぞれ同じような数値だったので異常は見当たりませんでした。

 

エンジンのコンプレッションを測るときには全部のシリンダーを測ってシリンダーごとの格差が無いことを確認しなければなりません。

 

エンジンのコンプレッションは全部のシリンダーが同じような数値で基準値を満たしていなければなりません。

 

また、コンプレッションが低くても高過ぎてもいけません。

 

コンプレッションが低い場合に考えられる原因としては、ピストンリングの摩耗、ピストンリングの固着、シリンダーの摩耗、バルブの接触面の摩耗、ヘッドガスケット抜けなどさまざまな原因が考えられます。

 

また、反対にコンプレッションが高過ぎた場合にはピストン頭部や燃焼室へのカーボンの蓄積などが考えられます。

 

いずれにしてもシリンダーヘッドの脱着や、場合によってはエンジンのオーバーホールが必要になってしまう事案なので高額な整備料金がかかってしまいます。

 

補足!

 

エンジンのコンプレッションを測るときにはエンジンを暖気してから測ってください。

 

というふうに整備解説書には記載されています。

 

しかし、実際エンジンが暖気後の状態だととても熱くて、スパークプラグを外したり、コンプレッションゲージを取り付けたりの作業が熱くて苦労します。

 

車によっては暖気後すぐ測れなんて無理だろう。

 

という車もあります。

 

そういう場合には無理せず火傷をしてしまっては元も子も無いので安全を最優先で作業しましょう。

 

多少エンジンが冷めてもコンプレッション測定値に影響は出ません。

 

但し、完全な冷間時ではコンプレッションの測定値はグッと低くなってしまうので注意しましょう。

 

ストレートのコンプレッションゲージを選んだ訳

 

ストレートのコンプレッションゲージを選んだのは、数あるコンプレッションゲージ の中で価格も手頃で使い方も簡単で、コストパフォーマンスが高いからです。

 

こちらです。

 

ストレートコンプレッションゲージ

 

箱を開けてみます。

 

ストレートコンプレッションゲージの中身

 

中には、コンプレッションゲージ、ホース、プラグホールアダプターが入っていました。

 

プラグホールアダプターは3種類が用意されていて、M10/1.0、M12/1.25、M14/1.25 のプラグ穴に対応できます。

 

コンプレッションゲージのアダプター

 

プラグホールアダプターにはOリングが付いていて測定時に圧縮漏れがないようになっています。

 

コンプレッションゲージのホースジョイント

 

使用するときは上図のようにホースをコンプレッションゲージにつなぎます。

 

ワンタッチ式で外側のリングをスライドさせてつなぎます。

 

コンプレッションゲージのメーター部

 

このような感じです。

 

それから、ホースとプラグホールアダプターをつなぎます。

 

コンプレッションゲージの繋ぎ方

 

上の図のようにプラグホールアダプターはネジ式なのでホースにねじ込んで接続します。

 

プラグホールアダプターには6角のロックがかかるようになっているのでプラグホールアダプターを接続したら必ずロックリングをスライドさせて、プラグホールアダプターとホースをロックします。

 

これをきちんとしとかないと測定が終わってホースを外す時にホースだけが外れてプラグホールアダプターがエンジン側に残ってしまう恐れがあります。

 

コンプレッションゲージの必要性

 

車のエンジンも走行距離が増えるほどにエンジン内部も摩耗してきます。

 

シリンダー・ピストン・ピストンリングなどが摩耗すると当然エンジンの圧縮圧力も低下してしまいます。

 

圧縮圧力が低くなってしまうと、エンジンの力は減ってしまいます。

 

その結果、通常よりもアクセルペダルを多く踏むことになり燃費も悪くなってしまいます。

 

ひどくなるとエンジンがかからなくなってしまうこともあります。

 

それくらい、エンジンのコンプレッションは重要な要素です。

 

コンプレッションゲージは、コンプレッションテスターとも呼ばれていて、エンジンの圧縮圧力を測定する物です。

 

エンジンのコンプレッションと、エンジンの圧縮比とは意味合いが違うので、自動車整備では圧縮圧力が基本となります。

 

エンジンの力が無いとか、燃費が悪い、加速が悪い、アイドリング不調、などといったさまざまな症状にエンジンのコンプレッションは関わってくるので、大変重要なものです。

 

例えば、エンジンのアイドリングが不調、と言った場合には主な点検項目として、スパークプラグ、イグニッションコイル、エアクリーナーなど簡単にチェックできる箇所から点検していきます。

 

それらに異常が無かった場合にはエンジンのコンプレッションを測定して、各気筒とも正常であることを確認する必要があります。

 

でも、その時にコンプレッションゲージが無いと先に進むことができないので、整備はその時点で頓挫してしまいます。

 

エンジン不調の原因を探す為には、コンプレッジョンゲージは無くてはならない物と言えるでしょう。

 

コンプレッションゲージは高級な物を望まなければ値段も結構安く買えるので、揃えておいて損は無いでしょう。

 

コンプレッションゲージを購入する時の注意点としては、ガソリン用エンジンとディーゼルエンジン用は全く違うので、間違って購入してはいけないということです。

 

ディーゼルエンジンのコンプレッションはガソリンエンジンの3倍近くあるし、接続方法も全然違います。

 

また、ガソリンエンジン用のコンプレッションゲージでも、今回はプラグ穴にネジ込むタイプを使用したのですが、ネジ込まないで手で押しつけるタイプもあります。

 

プラグ穴にネジ込むタイプの場合にはひとりでも作業ができますが、手で押しつけるタイプの場合には手で押さえていなければならないので、スターターを回す人がもうひとり必要となるのでふたり作業となります。

 

それらのことを充分理解したうえで購入しましょう。

 

ガソリンエンジンの圧縮圧力規定値

 

ガソリンエンジンのコンプレッションはエンジンの型式によって少しの違いはありますが、おおむね

 

1,000~1,500kpa(10~15kgf/㎠)

 

となります。

 

900kpa(9kgf/㎠)以下になると、エンジンの始動性が悪くなったり力不足を感じたりします。

 

各気筒の差は100kpa(1kgf㎠)以下が基準となります。

 

600kpa(6kgf㎠)以下になると、エンジンを始動することも困難となります。

 

以上の基準値から外れた場合には、エンジンに何らかの不具合が発生していると考えられるので、場合によってはシリンダーヘッドの脱着やエンジンのオーバーホール又は交換などが必要となります。

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