エンジンのへたり具合を点検するにはコンプレッションの測定が不可欠です。
今回は、ストレート製のコンプレッションゲージを購入したので、使い方をレビューします。
車のエンジンも走行距離が増えるほどにエンジン内部も摩耗してきます。
シリンダー・ピストン・ピストンリングなどが摩耗すると当然エンジンの圧縮圧力も低下してしまいます。
コンプレッションゲージは、コンプレッションテスターとも呼ばれている物で、エンジンの圧縮圧力を測る物です。
ちなみに、エンジンの圧縮比とは意味合いが違うので、自動車整備では圧縮圧力が基本となります。
エンジンの力が無いとか、燃費が悪い、加速が悪い、アイドリング不調、などといったさまざまな症状にエンジンのコンプレッションは関わってくるので、大変重要なものです。

エンジン不調の原因を探す為には、コンプレッジョンゲージは無くてはならない物と言えるでしょう。
コンプレッションゲージって聞いたことはあるけど、どうやって使うの?
コンプレッションゲージって高いの?
などと悩んでいる方もいると思います。
なので、そのような方に今回の記事が少しでもみなさんの役にたてれば嬉しいです。
ではさっそくやっていきましょう。
我が家のステップワゴンRG1も走行距離が10万kmを越したのでエンジンのへたれ具合はどうかなと思いエンジンのコンプレッションを、ストレート製のコンプレッションゲージで測定してみました。
なぜストレート製のコンプレッションゲージを選んだのかというと、単に安かったから。
というのが本音ですが、使い安さ・製品の品質を考えてもコストパフォーマンスが高かったからです。
ストレート製のコンプレッションゲージは、価格も安く使い勝手もいいので大変売れていて、評判もいいです。
自動車整備入門の方にもベテランの方にもおすすめのコンプレッションゲージです。
コンプレッションゲージ(テスター)の使い方
まずは、エンジンをクランキングした時に燃料が出ないように燃料系のヒューズを外します。

クランキングをした時に燃料が噴射されてしまうと、引火してしまう可能性もあるので大変危険です。
ガソリンエンジンのコンプレッションゲージの使い方は、まずコンプレッションゲージを取り付ける為にスパークプラグを全数外します。
スパークプラグの外し方はこちらの記事で紹介しています。
↓
スパークプラグを全数外す理由は、スパークプラグが付いているとそのシリンダーは圧縮抵抗を受けてしまいクランキングのスピードが遅くなってしまいます。
その結果、正確なコンプレッションが測定できず、実際のコンプレッションより低くなってしまいます。
スパークプラグを外すことで、測定するシリンダー以外の圧縮抵抗をゼロにすることができます。
そうすればスターターを回した時に、クランキングがスムーズになり正確なコンプレッションの測定ができます。
それと、バッテリーは満充電でないとクランキングの力も弱くなってしまうのでコンプレッションも正確に測定できません。
コンプレッション測定時は必ずバッテリーは満充電であることが基本です。
また、コンプレッションを測る時には、アクセルは全開です。
ひとつのシリンダーのコンプレッションの測定が終わったら下の画像の黄色の矢印で指したボタンを押して圧を逃がしてやってからコンプレッションゲージを取り外します。
このようにして、ひとつひとつシリンダーのコンプレッションを測っていきます。
全部の気筒を測ってください。
それで、我が家のステップワゴンRG1のエンジンのコンプレッション測定結果なのですが
このような結果になりました。
ゲージの指針は1280Kpaくらいでしょうか。
距離数が10万kmを超えているのでエンジンのコンプレョンも落ちているかなと思ったのですが、以外にそんなこともなく満足のいく数値でした。
4気筒全部測ってそれぞれ同じような数値だったので異常は見当たりませんでした。
エンジンのコンプレッションを測るときには全部のシリンダーを測ってシリンダーごとの格差が無いことを確認しなければなりません。
エンジンのコンプレッションは全部のシリンダーが同じような数値で基準値を満たしていなければなりません。
また、コンプレッションが低くても高過ぎてもいけません。
コンプレッションが低い場合に考えられる原因としては、ピストンリングの摩耗、ピストンリングの固着、シリンダーの摩耗、バルブの接触面の摩耗、ヘッドガスケット抜けなどさまざまな原因が考えられます。
また、反対にコンプレッションが高過ぎた場合にはピストン頭部や燃焼室へのカーボンの蓄積などが考えられます(実際には今までに高すぎたという経験は一度もありませんが)。
いずれにしてもシリンダーヘッドの脱着や、場合によってはエンジンのオーバーホールが必要になってしまう事案なので高額な整備料金がかかってしまいます。
今回エンジンのコンプレッションを測定してみて特に異常はなかったのでひとまずはひと安心しました。
補足!
エンジンのコンプレッションを測るときにはエンジンを暖気してから測ってください。
というふうに整備解説書には記載されています。
しかし、実際エンジンが暖気後の状態だととても熱くて、スパークプラグを外したり、コンプレョンゲージを取り付けたりの作業が熱くて苦労します。
車によっては暖気後すぐ測れなんて無理だろう。
という車もあります。
そういう場合には無理せず火傷をしてしまっては元も子も無いので安全を最優先で作業しましょう。
今回使用したコンプレッションゲージはストレート製です。
数ある コンプレッションゲージ の中でも ストレート の コンプレッションゲージ はコストパフォーマンスが高いと思います。
自宅で個人で使うので値段が安く、且つ性能的にも満足のいくものはないかと思い捜していたらこの ストレート の コンプレッションゲージ が目につきました。
で、さっそくamazonで購入して届いたのがこれです。
中を開けてみます。
中には、コンプレッションゲージ、ホース、プラグホールアダプターが入っていました。
プラグホールアダプターは3種類が用意されていて、M10/1.0、M12/1.25、M14/1.25 のプラグ穴に対応できます。
プラグホールアダプターにはOリングが付いていて測定時に圧縮漏れがないようになっています。
使用するときは上図のようにホースをコンプレッションゲージにつなぎます。
ワンタッチ式で外側のリングをスライドさせてつなぎます。
こんな感じです。
それから、ホースとプラグホールアダプターをつなぎます。
上の図のようにプラグホールアダプターはネジ式なのでホースにねじ込んで接続します。
プラグホールアダプターには6角のロックがかかるようになっているのでプラグホールアダプターを接続したら必ずロックリングをスライドさせて、プラグホールアダプターとホースをロックします。
これをきちんとしとかないと測定が終わってホースを外す時にホースだけが外れてプラグホールアダプターがエンジン側に残ってしまう恐れがあります。
以前、このプラグホールアダプターとホースがネジ止め式で、ロックが付いていないタイプのコンプレッションゲージを使ったことがあるのですが、その時にコンプレッションゲージを外す時にホースだけが外れてしまいプラグホールアダプターがエンジン側に残ってしまったことがありました。
その時のエンジンはプラグホールが奥に引っ込んでいるタイプだったのでプラグホールアダプターを外そうと思っても工具が入りません。
それでなんとかホースをプラグホールアダプターにねじ込んで一緒に外そうとして何回か頑張って、ようやく外れて一安心したのを覚えています(外すのに30分以上かかってしまいました)。
このようなこともあるので、コンプレッションゲージを購入するときにはこういったロックが付いているかどうかの確認も必要です。
エンジンの故障診断をしていて、エンジンのかかりが悪いとか、力が無いとか、アイドリングが安定しないとかいったときにスパークプラグとかイグニッションコイルとかいろいろと点検をしてもどこも異常が無かった場合には、コンプレョンの測定も必要になってきます(最初にコンプレッションを測るのも一つのやりかたですが)。
そういった場合にはコンプレッションゲージが無ければ前に進みません。
コンプレッションゲージは高級な物を望まなければ値段も結構安く買えるので、揃えておいて損は無いでしょう。
コンプレッションゲージを購入する時の注意点としては、ガソリン用とディーゼル用は全く違うので、間違って購入してしまうと使うことができません。
また、今回はプラグ穴にネジ込むタイプを使用したのですが、ネジ込まないで手で押しつけるタイプもあります。
プラグ穴にネジ込むタイプの場合にはひとりでも作業ができますが、手で押しつけるタイプの場合には手で押さえていなければならないので、スターターを回す人がもうひとり必要となるのでふたり作業となります。
それらのことを充分理解したうえで購入しましょう。
補足!
プラグホールアダプターに付いているOリングなのですが、何回も使っていればゴムなのでへたれたり、切れたりすることもあると思います。
そういったときの為にOリングを補給品として設定してもらえれば助かるのですが・・・(メーカーさんお願いします)。
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