法定24ヶ月点検はどこでやるの?
自分でもできるの?
そのような疑問にお答えします。
車には定期点検というのが義務づけられています。
普通乗用車だと、新車登録から12ヶ月点検、24ヶ月点検、36ヶ月点検というものがあります。
新車登録から36ヶ月目が車検の時期にあたります。
それを過ぎると車検が2年ごとになる為、12ヶ月定期点検と24ヶ月点検のみになります。
新車登録から3年目の車検時には本来なら36ヶ月点検となるはずですが、記録簿には24ヶ月点検と記載されているので、通常は車検の時期でも24ヶ月点検と言っています。
点検を受ける場所は、ディーラー・民間整備工場・ガソリンスタンドなどどこでもいいですが、大抵の場合車検とセットになっています。
12ヶ月点検も24ヶ月点検も、車検と同じく国の認可を得ている認証工場や指定工場などでないと、点検をすることができません。
ただし、自分で自分の車の点検をすることはできます。
必ずしも整備工場で行なう必要はないので、点検にお金をかけたくない人は自分でおこなっても問題ないです。
ただその為には車の整備に関するある程度の知識が必要になるので、ほとんどの人が整備工場で行なっているのが現実です。
車検と24ヶ月点検の違い
車検は、公道を走行するために決められた保安基準に合格すれば受かります。
ですから、車検は公道を走行する為の最低限の条件をクリアするかどうかを合否判定する検査です。
最低限の条件とはブレーキの制動力がきちんと出ているか、スピードメーターの誤差が大きくないか、灯火類が正常か、排気ガスが基準値以内か、オイル漏れなどがないか、足廻りに異常がないか、などをテスターや目視で検査して、それらが保安基準に適合していれば公道を走行しても大丈夫ですよ。ということです。
ですから車検の時にそれらの条件をクリアしてしまえば車検は受かります。
しかし、自動車整備工場で行なう24ヶ月点検は、後々車が故障しないで快適に走れるように整備をすることです。
例えば、ブレーキ関係だったらブレーキパットが減っていても車検の時にきちんと効けば車検は合格してしまいます。
しかし、ブレーキパットが減っていれば後々いくらももたないでしょう。
車検は通ったが何日もたたないうちにブレーキが効かなくなってしまった、なんてことになったら大変です。
そのようなことが無いように車検の時には24ヶ月点検もしなければならないのです。
そして、ユーザー車検でも車検の前か後に点検整備をおこなわなければならないように法律で定められています。
ただし、ユーザー車検は後日整備でもかまわないのですが、点検整備をしなかったからといって罰則は定められていません。
なので、ユーザー車検をしてそのまま点検整備をしないで乗っている方もいます。
ユーザー車検をした人が後日整備をしない理由
ユーザー車検をする理由は単純に車検代を安くすることができることでそれ以外の理由は見あたらないでしょう。
ですから、車検を通した後に整備工場に点検を依頼したのでは工賃がかかってしまうので、ユーザー車検をした意味がなくなってしまうと思う人も大勢います。
車検代行手数料とか、検査費用は整備工場にはとられないですが、それでも基本工賃はかかるので、違っても1万円ほどの差しかなくなってしまいます。
わざわざ会社を一日休んで車を持ち込んで、苦労して車検を通した意味がないのではないか。
などと考えてしまうかたも多いでしょう。
そのような理由によって点検整備をしない人が増えています。
しかし、待ってください。
点検整備をしなかった事によってこれから先に予想外の出費が出ることもあります。
点検整備をきちんとしないと、ブレーキが減っていても気づかないし、ファンベルトなどが切れそうになっていても平気で走行してしまい、あとで重大なトラブルが発生してしまう場合もあります。
そうなってしまったら、後できちんと整備をしておけば良かったと悔やんでも遅いです。
そのようなトラブルを事前に回避する為にも点検整備はきちんと行なっておくべきです。
24ヶ月定期点検を受けるメリットは
24ヶ月点検は70以上もの項目を点検します。
エンジン関係では、ベルト類の損傷や張り具合、エアクリーナーの汚れ、エンジオイルの漏れ、スパークプラグの状態、パワーステアリングのオイルの量、漏れ、排出ガス減少装置の作動などで、ブレーキ関係にしてはブレーキパットの減り具合、オイル漏れ、効き具合、足廻りに関しては損傷やタイヤの空気圧などのチェックなどで、さまざまな点検項目があります。
エアクリーナーが汚れていれば、燃費などにも影響するし、スパークプラグが減っていればエンジンの始動不良や、エンジン不調などにも繋がる恐れもあるし、もちろん燃費にも影響します。
また、ブレーキパットが減ってくればそのうちにブレーキから異音がしてきて、ブレーキのローターまで傷ついてしまうと、ブレーキのローターまで交換するはめになってしまって高額の修理代がかかってしまいます。
このような事を考えると、24ヶ月点検は故障を前もって予防するという重要な役目をしています。
後から高額の出費がかかるよりも点検整備代を払ってきちんと整備してもらったほうがはるかに経済的です。
それに、点検整備をするのとしないのとでは車を運転するうえでの安心感が違います。
いつ壊れるのか心配して乗るよりも安心して乗ることができるほうがいいに決まっています。
24ヶ月点検の点検項目とは
◎ エンジンルーム点検
◎ 足廻り点検
◎ 下廻り点検
◎ 外廻り点検
◎ 室内点検
などです。
パワーステアリング系統
◎ベルトの緩み、損傷
◎取り付けの緩み
◎オイルの量、漏れ
点火系統
◎スパークプラグの状態
◎点火時期
◎ディストリビューターのキャップの状態
バッテリー、電気配線
◎ターミナル部の緩み、腐食
◎電気配線の接続部の緩み、損傷
吸入系統
◎エアクリーナーの汚れ、詰まり、損傷
燃料系統
◎燃料漏れ
冷却系統
◎ファンベルトの緩み、損傷
◎冷却水の漏れ、量
排出ガス減少装置の機能
ブローバイガス、燃料蒸発ガス、触媒、チャコールキャニスタ、排気ガス再循環装置、その他
◎ハンドルの操作具合、緩み、ガタ
◎ブレーキペダルの遊び、踏み込んだときの床板とのすきま、効き具合、パーキングブレーキの引きしろ(踏みしろ)、クラッチペダルの遊び、切れたときの床板との隙間など
◎ ホイールアライメント
◎ ブレーキ(ブレーキマスターシリンダー、ホイールシリンダー、ディスクキャリパーなどの機能、摩耗、損傷、液漏れ)
◎ ブレーキシュー・ライニングの摩耗、ブレーキドラムの摩耗・ライニングとの隙間、ブレーキパットの摩耗・ディスクとの隙間、ブレーキディスクの摩耗
◎ タイヤの空気圧・亀裂・損傷・溝の深さ・異常な摩耗、スペアタイヤの空気圧
◎ ホイールナット・ボルトの緩み
◎ フロントホイールベアリングのガタ・リヤホイールベアリングのガタ
◎ サスペンション取り付け部・連結部の緩みガタ、損傷
◎ ショックアブソーバーの損傷・オイル漏れ
◎ ステアリングギヤボックスの取り付けの緩み
◎ ロッド・アーム類の緩み・ガタ・損傷、ボールジョイントのダストブーツの亀裂・損傷
◎ ブレーキホース・パイプの漏れ・損傷・取り付け状態
◎ トランスミッション・トランスファ・デファレンシャルのオイルの漏れ・量
◎ マフラーの機能・損傷・腐食
◎ フレーム・ボデーの緩み・損傷
以上が24ヶ月点検のチェック項目になります。
だいぶ大雑把に記しましたが、それでもこれだけの項目を点検しなければなりません。
自動車整備工場で24ヶ月点検をした場合に、これらの項目で一つでも不具合があれば車検は合格しませんので、不具合があった箇所は当然のごとく修理が必要となります。
ユーザー車検を受けることで車検代を安くできるのはいいのですが、点検整備をおこなわないと、これらの項目を何も点検しないということになってしまうので、後々に重大な故障がおきてしまう可能性があります。
車検後に安心して車を乗るためにも、きちんと整備点検を受けることが大切です。
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