オイルフィルター(エレメント)が固着して外れないときの外し方

車やバイクのオイルフィルター(エレメント)を外そうとしても、固くて外れない時ってありますよね。

 

そのような時はどのようにしてますか?

 

この記事ではオイルフィルター(エレメント)が外れない時の原因、外し方を述べていきたいと思います。

 

ちなみに、オイルフィルターはオイルエレメントとも呼ばれていますが、呼び方が違うだけで同じ物と考えていいでしょう。(厳密に言うと違いますが、整備の現場ではどちらも同じ物ととらえています)。

 

オイルフィルターは、エンンジンオイルの不純物(鉄粉など)をフィルター内に取り込んでオイルをきれいにする役割を果たしています。

 

ですから、オイルフィルターを長い間交換しないとエンジンに重大な支障をもたらすことになってしまいます。

 

エンジンオイルだけ交換してもオイルフィルターを交換していなければ、オイルはきれいにはなりません。

 

できれば、エンジンオイルの交換時期に合わせて、オイル交換2回に1回の割合での交換がおすすめです。

 

このように定期的に交換が必要なオイルフィルターですが、交換しようと思っても外れない時があります。

 

オイルフィルターが外れない原因には次の3つの原因が考えられます。

 

1、オイルフィルターを前回交換した時に締め過ぎた

2、オイルフィルターを何年も交換していないので固着してしまった

3、オイルフィルターとオイルフィルターレンチ(カップ式)のサイズが合っていない

 

オイルフィルターには、サイズは記されていないので、実際にオイルフィルターレンチを合わせてみないとわかりません。

そして、オイルフィルターの外径はメーカーによって違います。

 

オイルフィルターを交換するときには決められた締め付けトルクで締め付けるのが一番良いのですが、車種によってはトルクレンチが入らないものも多いです。

 

ですから、大抵の場合は手で締め付けてオイルフィルターのOリング(パッキン)が着座後に3/4回転締める。

 

というのが一般的な作業方法です。

 

しかし、それをオイルフィルターレンチでおもいっきり締めてしまうと次回交換する時に緩まなくなってしまいます。

 

とはいってもなかにはレンチを使わなければきちんと締められない場合もあります。

 

オイルフィルターの付いている場所が手で締めるには力が入れずらい場合もあるし、手で締めただけではなんとなく後でオイル漏れがしてしまうのではないか、などと不安になる時もあります。

 

そういう場合にはきちんとレンチを使って締めることをおすすめします。(ただし締め過ぎないように注意しましょう。)

 

実際に現場で多いのが、オイルフィルターの締め過ぎで緩みづらくなっているものが多いです。

 

オイルフィルターの締め過ぎはOリングを傷めてオイル漏れの原因にもなってしまいます。

 

それと、オイルフィルターを取り付ける時にはOリング(パッキン)にエンジンオイルを塗ることも忘れないようにしましょう。

 

それをしないとOリング(パッキン)を傷めてオイル漏れの原因となってしまう場合もあるし、Oリングが固着しやすくなってしまうので、オイルフィルターが外れない原因にもなってしまいます。

 

何年もオイルフィルターを交換していないというのは、普通にはあまり考えられないことなのですが、何年も車を放置しておいた車などは、Oリング(パッキン)が固くなってしまって外れない原因となってしまう場合もあります。

 

オイルフィルターを外す作業

 

 

オイルフィルターとオイルフィルターレンチのサイズが合っていない場合は?

 

自動車修理工場ではいくつものオイルフィルターに合わせてたくさんのオイルフィルターレンチ(カップ式)を用意していますが、それでもたまに社外品のオイルフィルターではサイズが微妙に合わない物もでてきます。

 

その場合、オイルフィルターにレンチ(カップ式)を合わせてみると、レンチがほんの少し大きくて微妙にガタがあります。

 

なんとか回りそうな感じなんですが、緩めようとすると滑ってしまってうまく緩みません。

 

オイルフィルターレンチがカップ式の時にはピッタリとサイズが合っていないと滑ってしまって緩みません。

 

そういう時には他のレンチ(チェーン式とか)を使えばいいのですが、そのような車に限ってチェーンが使えない場合が多いです。

 

そういう時の裏技として、オイルフィルターとレンチ(カップ式)の間に薄いウエスなどを挟んで軽く叩いてガタが出ないようにすると、噛み合いがきつくなるので、大抵の場合は緩みます。

 

チェーン式のオイルフィルターレンチを使っても外れない時もごくまれにあります。

 

カップ式のレンチを使っても緩まないのでチェーン式のレンチを使ってみたが、オイルフィルターが潰るだけでいっこうに緩む気配がない。

 

そういう時には大きいマイナスドライバーをオイルフィルターに横から刺して貫通させて、マイナスドライバーを回していきます。

 

マイナスドライバーは大きめのサイズがいいです。

マイナスドライバーの柄の部分を持ってテコの原理で回せば、大抵のものは緩みます。

 

マイナスドライバーを刺した時にはオイルフィルターに溜まっているエンジンオイルが勢いよく飛び散るので、オイルが飛散して回りを汚さないように対策をしてからおこないましょう。

 

そこで注意が必要なのですが、マイナスドライバーをオイルフィルターに刺す時に、オイルフィルターのねじ山部分に刺してしまうとねじ山が壊れてしまうので、よけいに外れなくなってしまいます。

 

マイナスドライバーを刺す時には、できるだけねじ山部分から離れた位置に刺す必要があります。

 

それでもオイルフィルターが外れない時には、オイルフィルターをサンダーなどで削って壊して外すしか方法がないです。

 

ただし、この方法はフィルターケースを開けて中のろ紙だけを交換するタイプには使えません。

 

おすすめのオイルフィルターレンチ

 

オイルフィルターを外す時に一番多く使われるのが、カップ型のフィルターレンチです。

 

中でも使い安いのがKTCのフィルターレンチです。

 


一般的なカップ式のオイルフィルターレンチです。

 

KTCのカップ型オイルフィルターレンチは作りもしっかりしているので、サイズさえ合っていれば使えないということは無いです。

 

同じカップ型のレンチでも、物によってはサイズが合っていても滑ってしまって使えないような物もあるので、KTCのレンチだったら安心です。

 

カップ型のオイルフィルターレンチは、自動車整備工場では一番多く使われるタイプで、使い方が簡単で、締め付ける時にも使えるということです。

 

注意点としては、カップ型のレンチはサイズが決まってしまうので、そのサイズに合ったオイルフィルターにしか使えません。

 

また、固く締まりすぎているフィルターなどは、カップ型のレンチでは緩まない場合もあります。

 

家でDIYで自分の車にしか使わないのであれば1個あれば充分なのですが、整備工場などで色々な車種のオイルフィルターを交換するとなると、多くのサイズを用意しなければなりません。

 

自分の車だけの為に1個購入するのであったら、あらかじめオイルフィルターのサイズを確認しておきましょう。

 

また、カップ式フィルターレンチの場合、オイルフィルターを締め付けた後にレンチがフィルターから外れなくなってしまう時もあります。

 

そのような時には、ハンマーなどで軽くレンチを叩いてやるか、緩める方向に軽く回して(フィルター本体が回らない程度に)やればレンチとフィルターの間に少しガタができるので簡単に外れます。

 


こちらは3本の爪で咥えるタイプのオイルフィルターレンチで、取り外し専用です。

 

アジャスタブルタイプのレンチで、紹介している物は外径が63mm~102mmまでのオイルフィルターに対応しています。

 

 


KTCの4本の爪で咥えるタイプのオイルフィルターレンチです。

 

取り外し専用です。

 

適用径は63mm~79mmです。

 

3つの爪のタイプに比べると爪がひとつ多い分ガッチリと掴むので滑ることもありません。

 

固く締まったオイルフィルターも外すことができます。

 

これで外れないオイルフィルターはもう壊して外すしかないでしょう。

 

価格が少し高くなりますが、それだけの価値はあるオイルフィルターレンチです。

 

固く締まって外れにくいオイルフィルターを外す時には一番のおすすめ商品です。

 


チェーンタイプのオイルフィルターレンチです。

 

チェーン式なので外す時にオイルフィルターを潰してしまうので取り外し専用になります。

 

チェーン式の利点はサイズがチェーンの長さ分使えるので幅広い車に対応でき、大型車などの大きいオイルフィルターにも使える点です。

 

まとめ

 

オイルフィルターが固着してしまって外れない時は、プロでもなかなか苦労します。

 

DIYで素人のかたがやろうと思えばかなり苦労すると思われますので、もしこれは無理そうだなと思ったら迷わずプロのかたにまかせたほうが賢明だと思います。

 

オイルフィルターを壊しても外れなかったら、もう自走で整備工場に持っていくことはできなくなってしまいますので大変です。

 

自動車整備工場にレッカーなどで引き取りに来て貰わなければならなくなってしまうので、その分の費用も余分にかかってしまいます。

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