車の走行中に突然ボンネットから湯気がでたことありませんか?
雨が降っている訳でもなく、水溜まりを走った訳でもない。
でも、突然に車のボンネットから湯気が出てきた。
え?何事?
とあせってしまいますよね。
この記事では車のボンネットから湯気が出る原因と、その時の対処方法を、元ディーラー整備士の筆者が解説していきます。
ボンネットから湯気が出る原因
ボンネットから湯気が出る原因には以下の原因が考えられます。
ラジエターからの冷却水漏れ
ラジエターホース類からの冷却水漏れ
エンジンルームを洗った
大雨の時の走行
この中で別に問題がないのは、エンジンルームを洗った場合や大雨の時の走行で、この場合には一時的なものなので心配には及びません。
重要なのが、ラジエターやラジエターホース類などから冷却水が漏れていた場合です。
ラジエターの冷却水が減ってしまうとオーバーヒートになってしまい、走行不能になってしまうし、エンジンが壊れてしまうこともあります。
ボンネットから湯気が出たらラジエターを確認
私は以前、雨も降っていないのに突然フロントガラスに水滴が降ってきて驚いたことがありました。
急いで車を安全な所に止めて確認したら、ボンネットから湯気がモクモクと出ていました。
自分が自動車整備士なので原因はすぐに想像できたので、ボンネットを開けてみたら案の定ラジエターが破裂していました。
幸い自分の会社のすぐ近くだったので、なんとかダメージを最小限に食い止めることができたのですが、これが遠出をしていた時だったら大変でした。
ラジエターは前ぶれもなく突然に破裂することもあります。
ラジエターのアッパータンクとロアータンクには、昔は鉄製の物が多く使われていたのですが、近年では樹脂製の物がほとんどです。
この樹脂製のタンクがくせもので、長年使用していると亀裂が入ったりして水漏れを起こしてしまいます。
なかには、いきなり割れてしまい冷却水が勢いよく吹き出してしまう時もあります。
私の場合にはまさに後者で、ラジエターがいきなり破裂してしまったので、冷却水がフロントガラスまで飛び散る勢いでした。
ラジエターの水漏れが少量だったら漏れ止め剤でもOK
ラジエターの水漏れが少しくらいだったらラジエターの水漏れ防止剤で治ることもあります。
たとえば、リザーバタンクの水がなんか減っているな、と感じたら水漏れを疑います。
その時にエンジンルームを覗いてみても、水が垂れているようすが無いが少しラジエターのコアあたりが染みている。
これくらいの水漏れだったらラジエターの水漏れ防止剤で充分に治る可能性があります。
ラジエターの水漏れ防止剤は金額的にも安いので、ラジエターの修理にお金をかけたくないのであれば、一度試してみるのもいいでしょう。
おすすめはワコーズの水漏れ防止剤です。
ラジエターから水が噴き出したらしてはいけないこと
ボンネットから湯気が出た時には、まずはボンネットを開けて湯気が発生している箇所を確認します。
ボンネットを開ける時にも、湯気がエンジンルーム内に充満している可能性が高いので、勢いよく開けないで静かに安全を確認しながらゆっくりと開けます。
湯気が出ているということは、もうかなりの冷却水が減っている可能性が高いですが、ここでラジエターキャップを外して中の水の量を点検するのは絶対にしてはいけません。
湯気が出ているということは、ラジエターの中はかなりの高温になっていて水も沸騰しています。
その状態でラジエターキャップを外すと、中の沸騰した冷却水が噴水のように噴き出してしまいます。
また、その状態で仮にラジエターキャップを危険なく外せたとしても、ラジエターの中の水が減っているからといってすぐに水をラジエターの中に直接補充すると、今度は注入した水がラジエターの熱でいっきに熱せられ、水蒸気となってすごい勢いで噴出してくるので、火傷をしてしまう可能性もあります。
ラジエターキャップを外したり、水をラジエターに直接注入するのは、エンジンが冷めて中の圧力が低くなってからにすることが大切です。
出先でボンネットから湯気が出たら
出先でボンネットから湯気が出たら、エンジンのオーバーヒートを疑って、まずは安全な所に車を止めてレスキューに連絡をして到着を待つのが一番なのですが、場所や時間帯によってはそうもできない場合もあります。
車にある程度の知識があるかただったら応急処置が可能な場合もあります。
まずは、冷却水がどこから漏れているかを確認します。
それがもしラジエターだったらどうしようもないですが、ラジエターのホースやヒーターホースの繋ぎ目あたりから少しずつ漏れているくらいだったらまだ方法はあります。
ホースの繋ぎ目だったらホースを締め付けているバンドをきつく締め付けなおしてあげれば、水漏れが治る可能性もあります。
水漏れの原因は、ラジエターやホースからとは限らず、ウォーターポンプからの場合もあります。
ウォーターポンプからの水漏れの場合には、いきなり勢いよく漏れるということはほとんど無いです。
大抵の場合は少しずつ漏れていることが多いので、水を補充しながら走行すれば走れないこともありません。
水を補充する場合には必ずリザーバータンクに入れることが火傷をなどをしない為にも重要なポイントです。
決してラジエターキャップを外して直接水を入れることはしてはいけません。
いずれにしても、水が漏れている箇所が少しずつしか漏れていないのだったら、様子を見ながら水を補充しながら走行すれば近くの自動車整備工場まで自走していくのも可能ではあります。
ただし、車の水温計(水温警告灯)に注意しながら回りの車にも細心の注意を払うことが必要となってきます。
ボンネットから白い煙がでた場合
ボンネットから出ているものが湯気ではなく白い煙の場合はどうでしょうか。
湯気も白い煙も同じ白いので、湯気か煙かの判断って難しいですよね。
まず、ボンネットを開けて焦げ臭い匂いがしたらエンジンオイルが漏れている可能性が高いです。
エンジンオイルが漏れる可能性が高いのは、タペットカバーパッキン、カムシャフトやクランクシャフトのオイルシール、オイルパンガスケットなどですが、白い煙が出る可能性が最も高いのがタペットカバーパッキンです。
タペットカバーパッキンからのオイル漏れは、垂れたオイルがシリンダーヘッドを伝わってエキゾーストマニホールドに付着して、オイルが焼けて白い煙となって出ます。
水平対向エンジン(スバルのレガシイ、インプレッサ、BRZ、トヨタの86)などはタペットカバーの下にエキゾーストマニホールドがあるので、垂れたオイルがもろにエキゾーストマニホールドに落ちてよけいに煙りが発生しやすいです。
カムシャフトやクランクシャフトのオイルシールはよっぽどのことが無い限り煙となるまではいきません。
オイルパンの下にエキゾーストマニホールドが通っているような車は、オイルパンから垂れたオイルがエキゾーストパイプに付着する可能性があるので、付着したオイルが焼けて白い煙になることもあります。
また、エンジンのオイル漏れはラジエターの水漏れとは違って、いきなりオイルが噴き出すということはあまりありません。
大抵の場合は、少しづつオイルが漏れてきて、エンジンをかけている時間が経つほどにだんだんとひどくなってきます。
なので、最初のうちにオイル漏れ防止剤などを注入すれば治ることもあります。
ひどくなってしまうとオイル漏れ防止剤の効果も期待できなくなってしまうので、最初が肝心です。
少しくらいのオイル漏れならオイル漏れ防止剤で充分対処できるので、試してみる価値はあります。
エンジンオイルが白い煙の原因の場合には、ラジエターなどと違ってすぐさま走行できなくなってしまうということはあまりありませんが、どちらにしてもそのまま放っておくと車両火災の原因にもなりかねないので、早急な修理が必要になります。
まとめ
車のボンネットから湯気が出た場合には、まずラジエターの水漏れを疑います。
ラジエターが破裂している場合には走行は不可能と考えてレスキューを呼んだほうが正解です。
そのまま無理に走行してしまうとエンジンが壊れてしまう可能性もあります。
しかし、水漏れの原因がラジエターでなかった場合には応急的な処置も可能であることもあります。
また、湯気ではなく白い煙の場合には、エンジンオイルの漏れの可能性が高いので、冷却水の漏れに比べると走れる可能性は高いです。
どちらにしても早急な修理が必要となるので、信頼できる自動車整備工場に依頼することが大切です。
また、ラジエターの故障は年式の古い車はいつ故障してもおかしくないです。
車検をした時にはなんともなくても、車検を終わってまもないうちにラジエターが壊れてしまった、なんてことは実際にあります。
ラジエターは外観に亀裂やひびや水漏れなどがなければ、車検の時にはそれ以上の点検は不可能です。
なので、車検翌日にラジエターが壊れたとしても自動車整備工場の点検ミスとは言えないです。
年式の古い車などは、いつラジエターが壊れてしまっても不思議ではないので、そのような事が不安な方は車を買い変えることも考えておいたほうがいいでしょう。
古い車で遠出をして、知らない土地でラジエターが壊れてしまったら大変です。
そのようなリスクを避けるためにも、車の買い替えを考えることも必要でしょう。
車を買い変える時には、下取りに出すよりも買い取り専門の業者で買い取ってもらったほうが断然お得です。
カーネクストは動かない車、廃車にするような車でも高額で買い取ってくれます。
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