車のハンドルが重いという現象は、多くのドライバーにとって非常に気になる問題です。
ハンドルが重い原因はさまざまな要因が考えられます。
本記事では、ハンドルが重くなる可能性のあるさまざまな箇所について詳しく解説し、それぞれの原因とその影響を明らかにしていきます。
まず、ハンドルの重さは運転の快適性に直接的な影響を与え、技術的な問題が隠れている可能性も大いにあります。
例えば、タイヤの空気圧不足やパワーステアリングの故障、さらには足回りの異常が原因となることがあります。
それらの要因を一つずつ確認し、問題の根本を把握することが、最終的には安全で快適な運転へとつながります。
また、修理にかかる費用や、将来的なリスクを回避するための予防策についても触れながら、具体的な対応策を提案します。
これにより、車両のメンテナンスがどのように重要かを理解していただけるでしょう。
車のハンドルが重くなる原因として考えられる箇所は
車のハンドルが重く感じる理由は様々な箇所に起因しています。
主な原因として
1、タイヤの空気圧不足
2、パワーステアリングポンプの故障
3、パワーステアリングギヤボックスの故障
4、パワーステアリング電気系統の故障(モーター、コンピューター、センサーなど)
5、ステアリングシャフトジョイントの固着
6、ロアボールジョイント・アッパーボールジョイントの固着
7、サスペンションのアッパーマウントのベアリング不良
8、足回りに異常がある場合
以上の事柄が考えられます。
これらの事柄についてひとつひとつ丁寧に解説していきます。
自動車のハンドルが重くなる場合、多くの要因が潜んでいます。まず、タイヤの空気圧が不足している場合、車両を正常に運転するために必要な力が増加してしまい、ハンドルが重くなることがあります。
次に、パワーステアリングシステムに故障が発生している場合も、同様の症状が現れやすくなります。
具体的には、パワーステアリングポンプやギヤボックスの不具合が原因となることが多いです。
そして足回りの異常、特にロアボールジョイントやアッパーボールジョイントが固着し、ハンドルの操作抵抗が増すことで、運転時に違和感を感じることがあります。
このように、ハンドルが重くなる原因には多くの箇所が関与していますので、丁寧に確認し対処する必要があります。
タイヤの空気圧不足でハンドルが重い
タイヤは唯一路面と接触している箇所ですが、タイヤの空気圧が少ないと路面との接触面が大きくなり、ハンドルを切った時の摩擦抵抗も大きくなるので、ハンドルは重くなります。この状態では、タイヤの摩耗も進行しやすく、燃費の悪化やブレーキ性能の低下を引き起こす可能性があります。
特に高速道路や長距離運転時には、反応性が鈍くなることで安全上のリスクも大きくなります。
タイヤの空気圧は何も異常が無い状態でもほんの少しづつ減っていくのが普通です。
したがって、タイヤの空気圧は定期的にチェックし、適正値に保つことが重要です。
タイヤ専門店や自動車整備工場での点検を利用し、必要に応じて空気圧を調整することをおすすめします。
また、知らない間にパンクをしていることもあります。
タイヤのパンクは、何も釘などが刺さった場合だけとは限りません。
スローパンクチャーと言って、タイヤのバルブやホイールとタイヤの合わせ面からも少しづつ空気が漏れることもあります。
タイヤの空気圧の減り方が早い場合には、そのへんもチェックする必要があります。
タイヤの空気圧は車の運転席のドア付近に記されているので、定期的にチェックするようにしましょう。
タイヤの空気圧はガソリンスタンドや自動車整備工場で見てもらえますが、タイヤ空気圧ゲージを持っていれば自分で簡単にチェックすることはできます。
タイヤ空気圧ゲージ
空気を入れることも考えると、エアホークプロなどの充電式の小型のエアコンプレッサーがあれば、自宅でも出先でも簡単にタイヤの空気圧を調整できるので便利です。
パワーステアリングの故障でハンドルが重い
パワーステアリングが故障すると、当然アシスト機能がなくなるのでハンドルは重くなります。
車のパワーステアリングには、油圧式の物と電気式の物があります。
油圧式のパワーステアリングは油圧の力でステアリングギヤボックスを動かします。
その油圧を発生する部品がパワステポンプ(ベーンポンプ)です。
パワーステアリングポンプの故障でハンドルが重い
自動車のパワーステアリングポンプは、ハンドルの操作を軽減する重要な役割を果たしています。
このポンプに故障が生じると、ハンドルを切る際に必要な油圧が低下し、重量感が増すことになります。
油圧式パワーステアリングのポンプが故障する原因としては、オイル漏れなどによってポンプの内部が焼き付いてしまう、とか、オイルの劣化などが上げられます。
パワーステアリングのオイル漏れの箇所は、ポンプのオイルシールの不良、油圧系統のパイプやホースの亀裂、ギヤボックスのオイルシールの不良、などがあります。
オイル漏れが原因の場合には、ポンプに回るオイルが足らなくなって、ハンドルを切った時にポンプからガーガーとかギーギーとかの異音がするので、そのような異音が聞こえたら早急にオイル漏れを修理しなければなりません。
異音が出て間もないうちだったら、オイルを足すことで音も消えるし、ハンドルの重さも軽くなりますが、修理をするのが遅れてしまうとポンプが焼き付いてしまい、ポンプを交換しなければならなくなってしまいます。
パワーステアリングポンプのオイルはリザーブタンクでオイルの量や汚れ具合を簡単に確認できるので、汚れがひどい場合には交換してやることも必要です。
それと、パワーステアリングポンプを回しているベルトが切れた場合にも、ポンプが回らなくなってしまい急にハンドルが重くなるので、走行中に切れるとハンドル操作ができなくなってしまいます。
パワーステアリング電気系統の故障でハンドルが重い
パワーステアリングシステムの電気系統には、エレクトリックパワーステアリング(EPS)を含む様々な部品が集約されています。
この電気系統に故障が起こると、ハンドルのアシスト機能が無くなり、運転中にハンドルが重く感じられる場合があります。
一般的な故障としては、モーターの不具合や配線の断裂、センサーの異常などが挙げられます。
特に、駆動モーターがうまく作動しないと、アシストが完全に失われ、運転に支障を来すことがあります。
電動式のパワステでハンドルが重くなったり、軽くなったりする時には、モーターやコンピューターなどの電気系統の不具合が考えられます。
点検の際は、これらの部品を入念に確認し、必要に応じて交換や修理を行うことが最善です。
また、コンピュータ診断機を使用して具体的な障害個所を特定することも、近年の整備業界では一般的になっています。
パワーステアリングギヤボックスの故障でハンドルが重い
パワーステアリングギヤボックスの内部のコントロールバルブが故障すると、パワーステアリングポンプで発生した油圧をコントロールすることができなくなり、ハンドル操作が重くなります。
油圧式のパワーステアリングギヤボックスが故障した時には、ハンドルを左右に切った時に、どちらか一方のみに切った時に重くなる傾向があります。
左にハンドルを切った時のみ重いとか、逆に右に切った時に重いなどといった症状であれば、パワーステアリングギヤボックスが故障している可能性が高いです。
パワーステアリング電気系統の故障でハンドルが重い
パワーステアリングが電動式の場合には、パワーアシストとして電動で回るモーターが付いています。
そのモーターが故障すると、ハンドルを回した時にモーターのアシストが無いので、人力でのみとなってしまい、ハンドルが重くなってしまいます。
また、パワーステコンピュータの故障・センサーの故障・配線の断線などがあるとモーターが正常に動かなくなってしまうのでハンドルが重くなってしまいます。
電動式のパワステでハンドルが重くなったり、軽くなったりする時には、モーターやコンピューターなどの電気系統の不具合が考えられます。
ステアリングシャフトの固着でハンドルが重い
ハンドルを回すとその動きは、ステアリングシャフトを伝わってステアリングギヤボックスへと繋がります。
ステアリングシャフトにはユニバーサルジョイントが付いていて、角度を変えられるようになっています。
そのユニバーサルジョイントの可動部が泥や埃などの原因やベアリングの劣化などで固着してしまうと、ハンドルを切った角度によって軽くなったり重くなったりします。
ハンドルを回した時に重くなったり軽くなったりと、重さが一定でない時にはステアリングシャフトのジョイント部の固着を疑うべきです。
この場合、特徴的なのはハンドルが全般的に重いというよりも、ハンドルが途中で引っかかるような感じの重さです。
つまり、ジョイントの角度によって重さが変化するということです。
また、ステアリングギヤボックスを支えているゴムのブッシュが摩耗したりすると、ハンドルを回した時にステアリングギヤボックスがズレてしまい、ひっかかるような感じがします。
その場合、ハンドルを切って戻した場合に元の位置に戻らなく、車が直進状態でもハンドルが曲がっている、ということもあります。
ブッシュの摩耗だけが原因の場合にはブッシュを交換すれば解消します。
ロアボールジョイント・アッパーボールジョイントの固着
ロアボールジョイントやアッパーボールジョイントは、足回りの構成部品として非常に重要な役割を果たしています。
これらが固着すると、ハンドルを切った際に過度な抵抗を感じ、結果的に操縦が難しくなることがあります。
固着した場合は、ジョイント部分の交換または修理が必要となりますので、早期の整備が推奨されます。
サスペンションを支えているロアアームやアッパーアームのジョイント部分が固着してしまうと、ハンドルを切った時に動きが渋くなって、ハンドルが重くなってしまいます。
その場合には、ハンドルを切った時にギーギーとかギシギシとかいった摩擦で擦れるような異音がすることが多いです。
また、その部分にガタがある場合には凹凸の路面を走行時に、ガタガタとかコトコトとか異音が出ます。
固着した場合は、ジョイント部分の交換または修理が必要となりますので、早期の整備が推奨されます。
サスペンションのアッパーマウントのベアリング不良
自動車のサスペンションシステムにおいて、アッパーマウントはサスペンションストラットとボディを接続する重要な部位です。
このアッパーマウントのベアリングに不良が発生すると、ハンドル操作に直接的な影響を与えることがあります。
具体的には、ハンドルを切った際の反応が鈍くなったり、異音が発生したりすることがあります。
ベアリングの劣化は、摩擦が増加することで生じるため、定期的な点検と必要に応じた交換作業が必要です。
放置しておくと、パーツ全体の不具合を引き起こし、整備の範囲が広がる可能性も考えられます。したがって、特にサスペンション関連の整備は慎重に行う必要があります。
足回りに異常がある場合
自動車の足回りに異常が生じると、ハンドルの重さだけでなく、全体的な操縦性にも影響を及ぼします。
たとえば、タイヤのバランスが崩れると、走行中に振動が発生し、ハンドルを操作することが難しくなります。
また、サスペンションが損傷していると、ハンドルが重くなるだけでなく、操縦が不安定となり、さらに安全性を脅かします。
加えて、ロアアームやトレーリングアームの故障も重要な要因です。
例えば、足回りがぶつかっていてホイールアライメントがずれてしまったりしたら、ハンドルは重くなってしまいます。
足回りはぶつかっていても、見た目には解らない時もあります。
見た目がなんともなくても、ホイールアライメントは軽い衝撃でもずれてしまうことがあるので、ハンドルが重くてポンプやギヤボックス、タイヤ空気圧などが正常な場合にはホイールアライメントも点検してもらうことが必要です。
故障個所が広範囲に及ぶ際には、修理や交換によりコストがかかる場合がありますが、安全のためには早めの対応が求められます。
車を整備する際は、足回りの異常を疑い、専門家による診断を受けることが最良の策であると考えられます。
ハンドルが重い場合の修理費用はいくらかかるか
ハンドルが重い場合の修理費用はその不具合箇所によって大幅に異なってきます。
ハンドル回りや足回りの部品の交換については、どこの部品を交換するかによって部品代や工賃も変わってくるので、1万円~10万円以上と幅広くなってしまいます。
また、部品を交換しなくても調整だけで直る場合もあるのでピンキリです。
下に例を掲げますが、車の種類によって値段も大きく変わってくるので、参考程度に思ってください。
パワーステアリングポンプの交換
リビルト品を使用 5万円~8万円
(リビルト品とは中古の部品の傷んでいる箇所を新品に交換した物です、機能的に新品とほぼ同様と言っていいでしょう)
新品を使用 7万円~10万円
ステアリングギヤボックスの交換
リビルト品を使用 5万~8万円
新品を使用 10万円~15万円
ステアリングシャフトの交換
新品を使用 2万円~12万円
(ステアリングシャフトはどこのジョイント部分の動きが固いかによって値段も違ってきます)
足回りの部品の交換
足回りの部品の交換については、どこの部品を交換するかによって部品代や工賃も変わってくるので、1万円~10万円以上と幅広くなってしまいます。
また、部品を交換しなくても調整だけで直る場合もあるのでピンキリです。
ハンドルが重い要因によって、修理費用は多岐に渡ります。例えば、タイヤの空気圧点検や調整は比較的安価で済む場合が多いですが、パワーステアリングポンプやギヤボックスの交換が必要な場合、数万円から十数万円が必要となることがあります。
さらに、ボールジョイントの交換やサスペンションの整備は、部品の交換が伴うため、トータルで数万円から数十万円の工程が発生することも珍しくありません。
特に、国外輸入車や高級車ではこの傾向が顕著になる場合があります。
そのため、ハンドルの状態に異常を感じた際には、早めの整備工場訪問が重要です。
時間が経つにつれて、症状が悪化し、修理範囲が広がる可能性があるため、適切な費用を見込むためには、早期の診断と必要なメンテナンスが必要です。
また、見積もりを複数の整備工場から取ることで、公正な価格で整備を受けることができます。
ハンドルが重くなるのを防ぐ方法
ハンドルが重くなるのを完全に防ぐことはできませんが、点検を小まめに行うことである程度の予防は可能です。
そこで、ハンドルが重くなるのを予防する方法を解説します。
・タイヤの空気圧を定期的にチェックする。
・パワーステアリング機構の定期的な点検をする
以上の二つの項目が大切なポイントです。
タイヤの空気圧は高くするとハンドルは軽くなり、逆に低いと重くなります。
だからと言って、ハンドルを軽くしようとしてタイヤの空気圧を規定値よりも大幅に高くするのは危険です。
タイヤの空気圧が高すぎると走行安定性が悪くなってしまい、ブレーキ性能などにも悪影響を与えてしまいます。
タイヤの空気圧は既定値にするのがベストです。
パワーステアリング機構の定期的なチェックは重要で、油圧式パワーステなどはリザーバタンクのオイル量をチェックしていれば、オイル漏れなどの故障を発見しやすくなります。
オイル漏れを早めに発見して修理すれば、ベーンポンプの焼き付きなども未然に防ぐことができるので、高額な部品交換費用を回避することができます。
また、パワステオイルの定期的な交換も大切です。
ハンドルが重くなるのを防ぐためには、日々のメンテナンスが非常に重要です。
まとめ
ハンドルが重くなる原因は多岐にわたります。
・ハンドルが重い場合に真っ先に点検すべき項目はタイヤの空気圧である。
・ハンドルを切った時にガーガー異音がする時はパワーステのオイル量をチェック。
・ハンドルが引っかかるように感じる時はステアリングシャフトのジョイントやステアリングギヤボックスを支えているゴムのブッシュの可能性が高い。
・ハンドルが重い原因となる箇所によって修理費用には差がある。
・ハンドルが重くなるのを予防するには定期的な点検が大切。
・ハンドルが重いと感じたら気のせいと思わずに自動車整備工場で点検してもらう。
これらの事柄に注意して早期に対処することで、安全かつ快適な運転が実現します。
定期的な点検を行い、適切な整備を受けることで、ハンドル操作が重く感じる不安を軽減できるため、車両のメンテナンスは欠かせません。
車の安全性や性能を維持するためには、少しでも異常を感じたら迅速に対応することが重要です。
ハンドルの修理費用が高額になったら車を替えたほうがお得
ハンドルが重いのを直すのに高額な修理費用がかかってしまうようだったら、車を買い替えたほうがお得な場合もあります。
パワーステの故障は経年劣化による原因であることが多く、走行距離の多い車や年式の古い車などに発生しやすいです。
そのような車の場合、不具合箇所を修理しても後から別の不具合が発生して高額な修理費用がかかってしまうこともあります。
そのようなことを考えると車を買い替えたほうがお得と言えるでしょう。
車を買い替える時には、ディーラーなどで下取りに出すと古い車、走行距離の多い車、修理費用がかかる車などは下取り価格はほとんどありません。
逆に、廃車手数料を請求されることもあります。
だったらカーネクストで車を買い取ってもらったほうが断然お得です。
カーネクストだったら、年式の古い車、走行距離の多い車、走行できない車などでも高額で買い取ってくれる可能性が高いです。
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