エンジンオイル上がりとオイル下がりの原因はどこにあるのでしょうか?
走行中にマフラーから白い煙が出ると気になりますよね
ガソリン車においてこの白い煙の正体はエンジンオイルが燃焼室に入ってガソリンと一緒に燃えてしまうことが原因です
エンジンの下の部分(シリンダー)からエンジンオイルが侵入してしまって白い煙が吐くことをオイル上がりと言って、エンジンの上の部分(シリンダーヘッド)からオイルが侵入して白い煙が吐くことをオイル下がりと言います
オイル上がりの原因
オイル上がりの原因はピストンリングの摩耗やシリンダーの摩耗などによってピストリングとピストンの隙間が大きくなり、エンジンオイルがその隙を通って上に上がってしまい、燃焼室でガソリンと一緒に燃えてしまうことによって白い煙となることです
オイル上がりは下からエンジンオイルが上がってくるのでピストンの往復運動が早いほどオイルが燃焼室に入る量が多くなります
ですからエンジンを回せば回すほど白い煙の量は多くなります
オイル下がりの原因
オイル下がりの原因はシリンダーヘッドのバルブステムとバルブガイドの間からエンジンオイルが燃焼室に入ってしまい白い煙となって排出されてしまうことです
バルブステムの摩耗やバルブステムオイルシールの密着不良などが原因となります
では、オイル上がりかオイル下がりかの調べ方はどのようにするのでしょうか
オイル上がりの調べ方
エンジンを暖気した後、エンジン回転を2千回転から3千回転くらいでレーシングさせてこのときの排気ガスの状態を点検します
このときに白煙が出てエンジン回転を上げていくと白煙が激しくなってきます
オイル下がりの調べ方
エンジンを暖気した後、5分くらいアイドリングで放置します
その後エンジンをレーシングさせると30秒から1分間くらい白煙を排出します
そしてだんだんと白煙が少なくなってきます
この後再び同じことを繰り返すと同じような症状が確認できます
以上のような調べ方でオイル上がりとオイル下がりを判別することは可能ですが、白煙の状態がどちらとも言えないといった場合にはオイル上がりとオイル下がりの両方を起こしている可能性が高いです
シリンダーヘッドを外してのオイル上がり、オイル下がりの点検
オイル上がりの場合には、ピストンとシリンダーの間からエンジンオイルが上がってくる為ピストン頂部の外周に多量のカーボンの付着が見られます
オイル下がりの場合には、インテークバルブの傘部の回りにエンジンオイルの付着もしくはカーボンの付着が多くみられます
オイル下がりはなぜアイドリング時に白煙が多いのでしょうか?
オイル下がりはシリンダーヘッドのバルブステムからオイルが侵入してくる訳です
エンジンがアイドリング回転ということは、スロットルバルブが閉じているのでインテークマニホールドの負圧が高い状態です
インテークマニホールドの負圧が高いということはシリンダーの中の負圧が高い状態なので、シリンダーヘッドのオイルがバルブステムの隙間を通ってシリンダーの中に吸引される形になります
ですからスロットルバルブを開けた状態(エンジン回転が高い状態)のときはインテークマニホールドの負圧が低くなるのでエンジンオイルの侵入が少なくなり白煙は少なくなります
ですからオイル下がりの場合はエキゾーストバルブのほうにはオイルの付着やカーボンの付着は多くみられません
インテークバルブとエキゾーストバルブの焼け具合が同じようでしたらオイル下がりは無いと判断できます
補足
オイル上がりの原因にはピストンリングが大きく関わってきます
では、ピストンリングの役割はどのような役割があるのでしょうか
ピストンリングの働きは機密保持、オイルのかき落とし、熱のシリンダーへの伝道などがあります
エンジンオイルの不足やオーバーヒートなどでシリンダー壁の油膜が切れて傷ができたりするとオイル上がりの原因となってしまいます
ピストンリングにカーボンやスラッジが固まってピストンリングが動かなくなってしまう現象をスティック現象といいますが、それが起きるとピストンリングの気密性や油かき性能が悪くなりオイル上がりの原因となってしまいます
オイル上がり、オイル下がり共にエンジンオイルのメンテナンスに大きく影響を受けます
エンジンオイルの粘度が低すぎる場合、エンジンオイルが少ない場合、オイル交換時期をはるかに過ぎていて劣化している場合などはエンジンオイルが燃焼室に侵入しやすくなってオイル上がり、オイル下がりの原因となってしまいます
一度オイル上がり、オイル下がりを起こしてしまえばエンジンのオーバーホールをしないとならないので大変な金額がかかってしまいます
そうならない為にも普段からエンジンオイルの管理には気をつけましょう
オイル上がりやオイル下がりが軽度の場合にはエンジンオイルの添加剤を試してみるのもひとつの方法です。
添加剤はどの車にも効くというわけではありませんが、白煙がそれほどひどくなければ添加剤でなおる可能性もあります
エンジンのオーバーホールとなると高額の修理代がかかってしまいますが、添加剤で改善すればわずかな出費で済むので一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
オイル上がりやオイル下がりがひどい場合にはエンジンのオーバーホールが必要となってしまうので、何十万円と修理代がかかってしまいます。
それだったらいっそのこと車を買い替えたほうがお得な場合もあります。
車を乗り替えるとなると、今乗っている車をどうするかですが、高額な修理代がかかるような車は、ディーラーなどに下取りに出したとしてもいくらにもなりません。
場合によっては処分費用がかかることもあるかも知れません。
それだったら、車を下取りに出すよりもカーネクストなどのように廃車にするような車でも高額で買い取ってくれるような業者に依頼したほうが断然お得です。
コメント