車検を安くする方法にユーザー車検代行というサービスがあります。
車検をディーラーなどで受けるより、車検費用をはるかに安くできる、というメリットがありますが、デメリットもあるのでそれらを解説していきます。
では、その前にユーザー車検代行がどのような場合に違法になるのかを解説していきたいと思います。
結論から先に言うとユーザー車検代行そのものは違法ではありません。
ユーザー車検代行が違法となるケース
ユーザー車検代行とは、ユーザー車検を車の所有者に代わって行なうサービスで、車を陸運支局に持ち込んで検査を受け車検を完了することです。
ユーザー車検代行を行なっている業者は、国の認証工場を持っていないところが多く、その場合には車の分解整備はしてはいけません。
整備していい箇所は、エンジンオイル交換やタイヤ交換などの簡単な整備に限ります。(実状としてはそれさえも行なわず、検査代行だけの場合が多いです)。
車検整備で重要なブレーキなどの分解整備はできません。
ユーザー車検代行で違法となるのは、このようなしてはいけない整備を認証を得ていない業者が行なった場合です。
このようなことが発覚した場合には、その業者は罰則の適用を受けることになります。
ユーザー車検代行のメリット
車検代が安い
ユーザー車検代行のメリットは車検にかかる費用を安くできることです。
分解整備をしないので、格安の費用で収まります。
車検にかかる費用は、法定費用と車検代行手数料しかかかりません(オイル交換などを行なった場合にはその分の金額はかかりますが)。
一般的に、ユーザー車検代行にかかる費用は10,000円以下の場合が多いです。
ディーラーや民間の整備工場に頼んだ場合には、1t以下の乗用車で比較した場合に、整備代がディーラーだと40,000円前後、車検専門店だと20,000円前後かかります。
このように、車検にかかる費用が全然違います。
忙しくてもユーザー車検が受けられる
自分でユーザー車検をしようと思っても、陸運支局は平日の昼間しかやっていません。
普通のサラリーマンの場合は、平日にユーザー車検を受けるには会社を休まなければなりません。
このことがユーザー車検のネックとなり、ユーザー車検を断念せざるを得ない原因となります。
しかし、ユーザー車検代行に依頼すれば自分の代わりにユーザー車検をしてくれるので、忙しいかたでもユーザー車検を受けることができます。
ユーザー車検にかかる手間がいらない
ユーザー車検は、検査の予約をしたり、車を持ち込んだり、自賠席保険を入れたり、書類を作成したり、検査をしたりとやることがたくさんです。
ユーザー車検に慣れている人なら問題ないですが、初めて受ける人は大変です。
ユーザー車検代行に頼めばそれらの手間を大幅に減らすことができます。
ユーザー車検代行のデメリット
車検に受かったから安心、とは言えない
ユーザー代行車検の場合は、あくまで車検を通したただけというものです。
車検は国が定めた保安基準に適合すれば通ってしまいます。
ゆえに、車の安全が保証されたわけではありません。
ブレーキパッドが減っていようと、ファンベルトに亀裂が入っていようと、その他もろもろもうすぐ交換しなければならない部品があったとしても、テスター上で合格基準を満たしている数値がでれば車検は通ってしまいます。
自分で整備できる知識と経験があれば別ですが、大抵のかたはそのような知識と経験がなくてもユーザー車検代行に頼んでしまいます。
それで、車検に受かったのだから安全だ、という勘違いをしてしまいます。
ユーザー車検代行に依頼するには、それなりに車の整備に関する知識と経験が必要と言えるでしょう。
業者によってクオリティが違う
ユーザー車検代行業者は自社で整備工場を持っているところと、そうでないところがあります。(ほとんどの車検代行業者は自社整備工場を持っておらず、車検を通すだけのところが多いです)
また、整備工場を持っていなくても車の知識にくわしくて、車検に合格はしたが、後でこことここは交換したほうがいいよ、とアドバイスをしてくれるところもあれば、全然車の知識はなくてただ車検を通してくるだけという業者もあります。
ユーザー車検代行を依頼する時には、そのような事もよく考えて依頼する必要があります。
1回で車検に通らないこともある
認証工場で車検を受けると、自動車の点検整備をしてから陸運支局に持ち込んで検査を受けます。
なので、車にどこか異常があった場合にはそこを修理してから持ち込むので、検査に落ちることはまれです。
万が一落ちたとしても、ライトの調整が少しずれていたとか簡単に直せる場合がほとんどなので、1日あれば大丈夫です。
しかし、ユーザー車検代行の場合は、整備はしないでそのまま持ち込むのがほとんどです。(認証をとっていないところでは分解整備はそもそもしてはいけません)
その為、確実に合格させる為には、前もって認証をとっている業者で点検整備をしてもらうか、自分で点検整備をするしかありません。(自分で自分の車を整備することは違法ではありません。資格も必要ないです)
もっとも、認証工場に点検整備を出すのなら、わざわざユーザー車検代行に依頼する必要はありませんが。(そこの工場で車検を受けたほうが手っ取り早いです)
24ヶ月点検は別にやらなければならない
24ヶ月点検は法律で義務付けされている点検です。
普通の車検業者で車検を行なう場合は、車検とセットで点検整備が行なわれます。
しかし、ユーザー車検代行で車検をした場合には24ヶ月点検は行なわれないので、別に行なわなければなりません。
その場合、自分で点検整備をするか、認証工場に頼むかしなければならないので2重の手間になってしまいます。
ただし、24ヶ月点検は車検の後に行なってもいいですし、しないからといって罰則があるわけでもありません。
そのような理由で、ユーザー車検代行で車検を通した人は24ヶ月点検をしないこともあります。
ユーザー車検代行の流れ
ユーザー車検代行の流れは次のようになります。
1、車の車検がいつ切れるのかを確認する。
車の車検時期は車検証に記載されています。又、車のフロントガラスの上部に貼られているステッカーにも記載されています。
その記載されている時期に合わせてユーザー車検の予約をします。
この時、車検証に記載されている期日を過ぎてしまうと車を公道で走らせることはできなくなってしまうので、なるべく早めに予約する必要があります。
車検は1ヶ月前から受けることができるので、それに合わせて早めに予約をしましょう。(混んでいたりして予約が埋まってたりすると間に合わなくなってしまう可能性があります。)
ユーザー車検代行の予約をする時には業者選びが大切です。
できれば、自社工場のある業者がいいのですが、そのような業者は正直言ってあまりありません。
大抵の場合はただ車検を通してくるだけ、というところが多いです。
最低限、ある程度車の知識があって、何かしらアドバイスをしてくれるところがいいです。
そのような業者を見つけるのは難しいですが、ネットの口コミを参考にするのもいいかも知れません。
2、ユーザー車検代行業者に見積もりを依頼する。
何件か目星を付けた代行業者に見積もりを依頼します。
その場合、1件だけではなく複数の業者で見積もりを取り、価格とサービス内容を比較しましょう。
3、車検代行業者が決まったら、日時を決める。
日時を決めたら、それと同時に車の引き渡しをどのようにするかも決めておかなければなりません。
又、支払いの方法や、万が一検査が不合格になってしまった場合の対応なども話し合っておきましょう。
4、24ヶ月点検をする
24ヶ月点検は車検を受けたあとでもいいということになっていますが、車検に落ちない為には先にやっておいたほうが賢明です。
自分でやってもいいのですが、できない場合には自動車整備工場やその他認証を持っている業者に頼みましょう。
カー用品店や、ガソリンスタンドなどでもいいのですが、認証を取得していないと分解整備はできないので、断られる可能性もあります。
5、書類と費用を用意する
必要書類
・車検証
・自動車損害賠償責任保険証明書
・自動車税納税証明書(継続検査用)
・使用者の認印(委任状が必要な場合)
・点検整備記録簿(無くても問題はない)
必要な費用
・自賠責保険料
・重量税
・検査手数料
・車検代行手数料
6、ユーザー車検代行業者に車を預ける
約束した日に車を預けて代行車検を行なってもらいます。
車検が終わったら車を引き取って無事車検は終了となります。
代行車検が不合格になった場合
車検が不合格になる理由には以下のようなものがあります。
・書類の不備(納税証明書の不備など)
・操作ミス(ブレーキの検査中にブレーキを踏む力が弱い、サイドスリップテスターでハンドルを動かしてしまったなど)
・違約金の未払い
・整備不良
書類の不備や操作ミスは代行業者もプロなので、まずあり得ないことと思われます。
気を付けなければならないのは過去に駐車違反があって、違反金が未払いだった場合です。
違約金が未払いだと車検は通らないです。
このようなことは本人しかわからないことなので、車検代行業者に迷惑をかけてしまうことになります。
一番多いのは整備不良が原因で検査が不合格になってしまうことです。
ヘッドライトの向きが合っていなかった、などの場合はすぐに直して再検査を受けることもできるのですが、分解整備を必要とする箇所に不具合があった場合などは、その場ではどうしようもないので、修理してあらためて持ち込むことになります。
分解整備が必要となった場合、認証を受けていない工場では整備できないので、ディーラーなどの指定工場か民間の認証工場に修理を依頼するかたちとなります。
二度手間となってしまうので、そのようなことのないように前もって点検整備はしておいたほうがいいと言えます。
ユーザー車検代行に頼まずに車検を安くする方法
これまでユーザー車検のメリットとデメリットを伝えてきましたが、総合的に考えるとデメリットのほうが大きいような気がします。
もちろん車検費用を安くできることはいいのですが、点検整備はきちんと受けないと車検が不合格になってしまったり、合格してもその後の安全に不安をおぼえたりします。
自分で自動車整備の知識と経験があって、点検整備も自分でできる方ならユーザー車検代行でも大丈夫ですが、それ以外の方はきちんとした整備のできるディーラーや民間の認証工場に頼んだほうが正解です。
ただし、ディーラーなどでは車検代も高くなってしまいます。
車検代を安く済ませる方法として、ディーラー以外で車検を受ける、という方法もあります。
今はネットで車検の予約が簡単にできる【楽天Car車検】が人気があります。
できるだけ車検代を安くしたいと考えてる人は、これらのサービスを利用するのもひとつの方法です。
コメント
テストです。きのうは数字でしたが、送れませんでした。今日は平仮名(おいらき)ですね。届くかどうか送ってみます。
ああ、送れましたね。
コメントが表示されるようになってなによりです。
今後とも宜しくお願い致します。