自動車整備に携わる方々にとって、「整備工具セットで一生使えるものは?プロの整備士がおすすめ」というテーマは非常に気になるのではないでしょうか。
そもそも、整備工具選びはどのように行うべきか、迷っている方も多いはずです。
整備業界で必要な工具は、単なる道具ではなく、あなたの手仕事を支える大切な相棒でもあります。
選ばれた工具が長く使えるかどうかは、その精度や強度、使用感などによって大きく変わってきます。
本記事では、一生使える工具セットを使用する際のポイントやおすすめの製品を分かりやすく紹介いたします。
工具選びには、規格に合った物を選ぶことや、精度を重視することが欠かせません。
そして、工具が優れていれば、その効果を最大限に引き出せるのです。
また、特定の整備作業に適した工具は何か、どのように選ぶべきかを丁寧に解説します。
整備工具を選ぶ際、失敗しないためのヒントを知ることで、あなたの整備作業が快適に進むこと間違いなし!さあ、一緒に自分にぴったりの整備工具セットを見つけましょう。
自動車整備に使う工具セットって一生使えるの?
自動車整備に使用する工具セットは、品質や選択次第で一生ものになることがあります。
この記事ではその理由を深掘りしていきます。また、おすすめの工具も紹介します。
自動車整備に使う工具の選び方
自動車整備に利用する工具は、質と耐久性が非常に重要です。
初期投資が大きいと思うかもしれませんが、信頼できるメーカーの工具セットを購入すれば、数年は問題なく使用できます。
特に、ドライバー、レンチ、スパナなど、普段使いする基本的な工具が揃っていることが大切です。
安価な商品は短期間で壊れることが多いので、慎重に商品を選ぶ必要があります。
さらに、規格が統一されているアイテムを選ぶことが重要で、特にトルク管理が必須の整備作業には精度の高い工具が欠かせません。
一生使える工具セットを購入する時の注意点
一生使える工具セットを選ぶ際には次に掲げることに注意しなければなりません。
間違って購入してしまうと、実際の作業で使いにくくなってしまったり、全く使えないこともあります。
規格にあった工具を選ぶ
工具選びでは、まず規格に合ったものを選ぶことが不可欠です。
車両や作業内容に応じてツールが異なるため、口コミや評価を参考にして信頼できるモデルを選ぶべきです。
特に、ボルトやナットのサイズに対応しているか確認し、整備士としての作業がしやすい道具を見極めます。
場合によっては、特定のメーカーからしか入手できない製品もあるため、楽天やAmazonでの事前調査が欠かせません。
完成度の高い工具は、使用中に誤ったトルクで作業をするリスクを軽減し、整備作業の精度を高めます。
工具の精度や強度も重要
精度や強度は、工具選びにおいて無視できないポイントです。
安い工具に手を出すと、しばらく使用した後に劣化が見られることが多いです。
そのため、出典としてしっかりとしたメーカーの製品を選ぶことをお勧めします。
質の高い工具は、精密な作業が可能で、強度が高いので長持ちします。
特にプロの整備士にとって、工具の信頼性は死活問題です。
失敗や誤りによる事故を未然に防ぐためにも、高品質な工具の購入を検討しましょう。
工具の精度が悪いとどうなるか
工具の精度が悪いと、さまざまな不具合が発生します。
例えば、ネジを締めたときに強すぎてネジ山が崩れてしまうことや、逆に緩んでしまってトラブルの元になるケースもあります。
また、誤ったトルクで作業を進めると、部品の摩耗や寿命を短くしてしまうことにも繋がります。
これによって、将来的に修理や交換が必要になると、結果的に多くの費用がかかってしまうことになります。
しっかりとした工具選びが、効率的な作業とコストの節約に影響することを覚えておきましょう。
差し込みサイズも重要
差し込みサイズを選ぶことは、確実に整備作業を進めるための基本です。
ほとんどの自動車には異なるサイズのボルトが使用されているため、適切なサイズの工具を揃えておくことが必要です。
特に、サイズが合わないと作業が困難になるだけでなく、工具を傷めたり、ボルトを壊したりする危険性が高まります。
作業の種類によって必要となる差し込みサイズも変わるため、特に初心者や整備士の方は、手持ちの工具セットが幅広いサイズをカバーしているか再確認することをおすすめします。
ラチェットレンチを例にすると
1、1/4″(6.3mm)
2、3/8″(9.5mm)
3、1/2″(12.7mm)
となります。
普通自動車の整備には、差し込みサイズは3/8″インチ(9.5mm)がおすすめ
工具セットに入っているソケットやラチェットレンチには差し込み角というものがあります。
差し込み角というのは、ソケットに差し込む4角の穴のことで、自動車整備で多く使われるサイズは3/8″(9.5mm)が圧倒的に多いです。
1/4″(6.3mm)や1/2″(12.7mm)のサイズもたまに使うことはありますが、それほど機会が多くはありません。
1/4″(6.3mm)サイズの工具は、室内などの狭い箇所で使うことが多く、エンジンや下回りの整備では使う機会は滅多にありません。
反対に、1/2″(12.7mm)のサイズの工具は室内では使わないし、エンジンルーム内の作業でもあまり使うことはないです。
1/2″(12.7mm)のサイズの工具は、主に下回りなどの太いボルト・ナットが使われている箇所の整備に使用することが多いので、お金に余裕があったら1セット揃えておくのもいいでしょう。

軽自動車や普通自動車の整備だったら、3/8″(9.5mm)が1セットあれば充分だと言えるでしょう。
トラックなどの大型車の整備には1/2″(12.7mm)のサイズも必要となります。
おすすめの自動車整備工具セット
一生使えるお得な工具セットを選ぶことが大切です。
ここでは、プロの整備士が自信を持っておすすめする工具セットをいくつかご紹介します。
SK3650X は、自動車ディーラーなどで多く使われている日本を代表する[KTC]京都機械工具で製造・販売されている工具で、精密性・耐久性に優れた工具セットです。
このセットは、差込角が9.5mm(3/8inch)で自動車整備・機械整備に最適で66点が収納されているので量としても充分です。
プロの整備士に大変おすすめな工具セットです。
チェストタイプ(ケース上部が開き、さらに2~3段の引き出しがあるタイプ)で重いので、持ち歩くには適さなくワゴンの上に置いて使用するのが一般的です。
ケース自体は頑丈な作りで、引き出しにもベアリングレールを採用しているので工具の取り出しもスムーズに行え、使い勝手は抜群です。
今回紹介する工具セットの中では別格な価格ですので、工具にこだわりのある方におすすめです。
SK3435S は、日本を代表する[KTC]京都機械工具の工具セットで SK3650X までは必要ないが、一生使える工具セットが欲しいという方のおすすめです。
筆者もディーラーに入社した当時は、これと同じような価格帯の[KTC]の工具セットを使っていました。
収納された工具は43点で、一通りの車の整備はできます。差込角は9.5sq.(3/8)です。
使っていて、足らない工具があれば後から補充すればいいでしょう。
持ち運びもできるので、一般家庭でのDIYにも適しています。
トネ[TONE] は[KTC]と同じく日本を代表する工具メーカーで、こちらもプロの整備士に多く使われています。
トネ(TONE) ツールセット 700H は差し込み角が12.7mm(1/2″)で差込角が9.5sq.(3/8)よりもより大きな力がかかる作業に向いています。
一般の人にはKTCほどの認知度は無いですが、製品の質に関しては同格と言っていいでしょう。
収納されている工具の点数も57点と充分で、プロの整備士から一般の方までおすすめの工具セットです。
両開き式のケースで、持ち運びもできて使い勝手も良好です。
トネ(TONE) ツールセット TSAT353 は差込角は9.5mmのチェストタイプの工具セットです。
重量もそれなりにあり、持ち運びに向いていないのでワゴンの上などに置いて使用するのが一般的です。
DIYにおすすめの工具セット
DIYで使うことが前提なら何も[KTC]や[TONE」のような高級品を選ぶ必要はないです。
それは、プロの自動車整備士のように毎日使う訳ではないので、品質もそれ程高く求められないからです。
但し、ある程度の品質が無いと使っているうちに壊れてしまったり、ボルトやナットを舐めてしまうこともあるので、ホームセンターなどで激安で販売されているような工具はおすすめできないです。
価格と品質を考えるとアストロプロダクツの工具セットがおすすめです。
アストロプロダクツのツールセットTS227は、お求めやすい価格ながら収納の点数も82点と多く、割安感があるので家庭でのDIYなどに最適です。
筆者も[KTC]や[YONE]の他にアストロプロダクツの工具を持っていますが、普通に使うには充分な品質と言えます。
この他にもSK11の工具セットなどもおすすめです。
SK11の工具セット SST-16133RE は[KTC]や[TONE]と価格帯が同じくらいですが、同じ価格帯でも収納点数が133点と圧倒的に多いです。
DIYで使用する分には充分と言えるでしょう。
安くても点数が多い工具セットが欲しいけど、あまり品質が良くないのは嫌だな、と考えている方におすすめの工具セットです。
工具点数は133点という圧倒的な量で、それでも価格は高くないのでこれから自動車整備を始める初心者の方にはうってつけの工具セットです。
まとめ
一生使える工具の条件は、精度・強度・耐久性が必要とされます。
その為にはある程度価格が上がってしまうのもやむおえません。
自動車整備が初心者のうちは、無理をして高い工具を揃えることもないですが、あまり安過ぎる工具は、すぐ壊れたり使いずらかったりでいくらもたたないうちに買い換えてしまうことになります。
できるだけコストパフォーマンスの良い工具セットを選ぶことが大切です。
また、高い工具だからといってもむちゃな使いかたをすれば、その工具は一生使えるものではなくなってしまうので、使いかたも重要です。
工具は大切に扱えば長持ちするものなので、愛情をもって使っていきたいものですね。
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