車のエアコンの吹き出し口からぬるい風しか出ない、というのはカーエアコンのシステムに何らかのトラブルが発生している可能性が高いです。
夏場の暑い時期にエアコン無しで運転するのは体調を崩してしまうこともあり、危険でもあります。
この記事では、カーエアコンが効かない原因と修理費用を解説します。
カーエアコンからぬるい風が出る原因
カーエアコンから冷たい風が出ない原因は電気系統の故障、コンプレッサーなどの部品の故障、などがあります。
カーエアコンにはさまざまな部品が使われていて、どれかひとつでも故障が起きればエアコンは効かなくなってしまいます。
車によってその使われている部品の数は違ってきますが、基本的なことはみな同じです。
よくある原因には以下のものがあります。
1、エアコンガスが少ない
2、エアコンヒューズが切れている
3、エアコンコンプレッサー用のベルトが切れている
4、エアコンコンプレッサーの故障
5、エアコンリレーの故障
6、エアコンスイッチの故障
7、エアコン配管の詰まり
8、サーミスタの故障
9、サーボモーターの故障
10、コンデンサーの詰まり
11、コンデンサーファンが回らない
12、エバポレーターの詰まり
ざっと上げただけでもこれだけあります。
では、ひとつひとつ解説していきます。
1、エアコンガスが少ない
エアコンが効かない原因で一番多いのがこれです。
カーエアコンの効きがなんだか微妙に悪くなってきたな、と思ったらエアコンのガスの量を点検してみましょう。
エアコンガスは、長年使用していると自然に少しづつ減っていくこともあるので、ガスの量が少なかった場合には一旦ガスを補充してしばらく様子を見てみましょう。
それでもいくらも期間が経たないうちにまたエアコンの効きが悪くなってしまったら、エアコンガスがどこからか漏れている可能性が高くなります。
一般的にエアコンガス漏れで多い箇所は、パイプの繋ぎ目のOリングあたりですが、コンプレッサー本体やコンデンサーなどからも漏れることもあります。
エアコンのガス漏れは専用のガス漏れ探知機で点検できるので、自動車整備工場で点検してもらいましょう。
2、エアコンヒューズが切れている
エアコンヒューズが切れていると、当然コンプレッサーに電気が流れないのでコンプレッサーは回りません。
エアコンのスイッチを入れた時にコンプレッサーが回らなければ、まずはヒューズを疑ってみましょう。
但し、ヒューズが切れていて新品に交換してもまたすぐに切れてしまうような場合には、どこかでショートしていることが考えられるので、そうなってしまうとプロに診断してもらうしかありません。
3、エアコンベルトが切れている
エアコンコンプレッサーのベルトが切れていればコンプレッサーは回らないのでエアコンは効きません。
しかし、エアコンベルトが切れていなくてもベルトの調整が緩かったりすると、ベルトが滑ったりしてしまって本来のコンプレッサーの能力を引き出すことができず、エアコンの効きが悪くなってしまうこともあります。
エアコンガスは規定量入っていてコンプレッサーも回っているのに、エアコンの効きが悪い場合には、エアコンベルトの調整も確認してみる必要があります。
4、エアコンコンプレッサーの故障
エアコンコンプレッサーの圧縮圧力が弱いとエアコンの効きが悪くなります。
また、エアコンコンプレッサーに付いているマグネットクラッチの作動不良があると、クラッチが繋がらないのでコンプレッサーが駆動しません。
5、エアコンリレーの故障
エアコンリレーは、エアコンスイッチがONになった時にリレーもONになりコンプレッサーに電気が流れる仕組みになっています。
コンプレッサーに電気が来ていない時にはヒューズとともに真っ先に点検すべき箇所です。
6、エアコンスイッチの故障
エアコンスイッチが故障していれば当然エアコンは効きません。
ヒューズ、リレーと共に先に点検すべき箇所ですが、スイッチの点検はヒューズやリレーのように簡単にはいきません。
スイッチを外さなければ点検できない場合が多いので、スイッチが怪しいと思ったらプロに任せたほうがいいでしょう。
7、エアコン配管の詰まり
エアコンの配管が詰まるとガスの流れが悪くなってしまい、エアコンの効きが悪くなります。
正確には配管の詰まりというよりも、途中にある部品の詰まりと言ったほうがいいでしょう。
配管自体は太いので詰まることはあまり無いのですが、配管の途中に繋がっているエクスパンションバルブやレシーバーなどは詰まることが多い部品です。
8、サーミスタの故障
サーミスタとは、温度を測るセンサーなのですが、温度を設定した温度に自動で調整する為の部品です。
これが故障してしまうと、室内の温度が測れなくなってしまい設定した温度に調整できなくなってしまいます。
9、サーボモーターの故障
サーボモーターとは、暖かい空気と冷たい空気を混ぜて温度を調整する為の部品で、これが壊れてしまうと温度を調整することができません。
ゆえに、冷たい風が出ないとか、暖かい風が出ないなど、モーターの回転がどの位置の状態で故障しているかで症状は変わってきます。
また、状況によってはモーターが動こうとした時にカタカタと異音がすることもあるので、エアコンスイッチを入れた時に室内の足下あたりでそのような音がしたら、サーボモーターの故障の確立が高いです。
10、エアコンコンデンサーの詰まり
エアコンのコンデンサーはコンプレッサーで圧縮されて熱くなったエアコンガスを冷却する役割があります。
コンデンサーは車のラジエターと同様に冷却の為のフィンが並べられているのですが、フィンが埃や泥などで詰まってしまうと正常な冷却効果が得られないので、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
フィンの詰まりだけなら、清掃で解決することもあるのですが、内部も詰まることがあるのでその場合にはコンデンサーの交換が必要になります。
11、コンデンサーファンが回らない
コンデンサーのファンが回らないと、コンデンサーが詰まった時と同じように充分にエアコンガスを冷やすことができなくなり、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
ファンが回らない原因としては、ファンモーターの不良、モーターまでの電気が来ていない、などがあります。
12、エバポレーターの詰まり
エバポレーターは、ブロアファンから送られてきた空気を冷やす役割をしています。
エバポレーターが詰まってしまうと、空気を充分に冷やすことができず、吹き出し口から出る風がぬるくなってしまいます。
カーエアコンの風が出ない時の原因は
カーエアコンの故障では、ぬるい風しか出ないという他にも、その風自体が出ない、風が弱い、という不具合もあります。
そういった場合に考えられる原因としては
1、ヒューズが切れている
2、ファンスイッチの故障
3、ブロアモーターの故障
4、ブロアレジスターの故障
5、エアコンフィルターの詰まり
などが代表的なところです。
ブロアモーターというのは、室内のエアコン吹き出し口から風を送る為の部品です。
ブロアモーターが故障して回らなければ風は出ません。
また、まれにですがモーターの中の内部抵抗が大きくなって回転が遅くなってしまい、風が弱くなってしまうこともあります。
ブロアレジスターは、ファンの強弱を調整する為の部品で、ブロアモーターに流れる電流の値を変化させることで風の強さをコントロールしています。
ブロアレジスターが故障すると、ブロアモーターに電気が流れなくなってしまい、風が出なくなってしまいます。
エアコンフィルターは、空気中の埃や花粉などを取り除いて室内にきれいな空気を送る役割をしています。
エアコンフィルターは汚れると空気の通りが悪くなってしまい、吹き出し口からの風の勢いが弱まってしまうので、定期的に新品に交換する必要があります。
夏場の暑い時期はカーエアコンの効きが悪く感じる
夏場の暑い時期には、カーエアコン自体に不具合が無くても効きが悪く感じる時もあります。
特に、炎天下で車を屋根の無い場所に駐車しておいた場合には、室内の温度はかなりの高温になってしまうので、車のエアコンを最強にしてもしばらくは温度が下がりません。
そのような場合には、全部のドアを何回かバタバタ開閉して、室内の熱い空気を外に出してから乗り込むと熱さがやわらぎます。
また、エアコンの使い方にも工夫が必要で、すばやく冷やすには内気循環にすることをおすすめします。
外気導入だと、外の暑い空気を室内に取り入れてしまうのでエアコン効率が下がってしまいます。
但し、長時間の内気循環は乗員の呼吸によって二酸化炭素濃度が高くなり、頭痛や眠気の原因にもなってしまう場合もあるので、外気導入と内気循環を使い分けながら使用するのがいいでしょう。
エアコンが効かない時の修理代はピンキリ
以上に記したようにエアコンが効かない時にはさまざまな原因があります。
よって、それを修理する為の費用もピンキリです。
ヒューズの交換だけなら何百円からかかっても2、3千円くらいでしょうし、逆にコンプレッサーなどが故障した場合には5、6万円くらいかかってしまいます。
もちろん、その車によって部品代や工賃も変わってくるので、場合によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。
エアコンが壊れていても車検は通るのですが、だからと言って車検は通すがエアコンは壊れたまま、というのは好ましくありません。
夏場の暑い時期にエアコン無しでは熱中症の危険もあります。
もし、あなたの車がもうすぐ車検が切れるしエアコンも効かない、というのだったら車を新しく買い替えたほうがいいかも知れません。
古い車、走行距離も多い、エアコンも効かない、などといった車は下取りに出しても0円でしょうし、場合によっては車を廃車する為の手数料を請求されるかも知れません。
そのような場合には、カーネクストのような動かない車、事故車、なども高額で買い取ってくれる買い取り専門の業者に依頼したほうがはるかにお得です。
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