車検のときには出費をできるだけ少なくするために、部品の交換はできるだけ抑えたいと思うのは普通のことです。
しかし、車検の時にやったほうがいい項目というものもあります。
ここで言うやったほうがいい項目というのは、車検後に車をより安全に、より安心にお乗りいただく為におすすめする項目です。
車検はその時に保安基準に合格すれば車検は通ります。
極端に言えば、整備は何もしなくてもブレーキ・ライト・スピードメーター・サイドスリップ・排気ガス・警音器の音量などがテスター上で合格して、その他車体関係に異常がなければ車検は受かります。
しかし、それはその時点で車検に合格したというだけであって、その後の車の安全を保証された訳ではありません。
ですから、車検後に車を安心して乗れる為には最低限の部品交換はやっておいたほうがいいです。
又、車検時に早めに消耗部品を交換をしておくことで、その後の車のトラブルを未然に防ぐことができるし、メンテナンス代も安くできることがあります。
車検のときにやったほうがいい項目
車の整備代は1時間でいくら、というふうにレバレートで換算されます。
レバレートとは1時間あたりの基本工賃で、整備工賃は日本自動車整備振興会連合会(日整連)より発行されている自動車整備標準作業点数表をもとにレバレート×時間で計算されます。
レバレートは店舗によって違うので一概にいくらということは言えません。
ですから、同じ内容の整備でも店舗によって工賃が変わってきます。
そのレバレートなんですが、お店によっては車検のときとそうでないときに差がある場合もあります。
例えば、一般整備では1時間あたりの工賃が8千円なのに、車検のときには6千円といったように車検時の工賃を安く設定しているお店も多いです。
そのような場合、例えばタイミングベルトを交換したとして工賃が5時間とすると5時間×8千円として4万円の工賃がかかりますが、車検のときには、5時間×6千円なので3万円の工賃なので、1万円の差がつきます。
ですから、このように工賃が車検のときとそうでない時に差があるお店では、タイミングベルトの交換時期が近づいてきたら、少しくらい早めでも車検のときに交換したほうがお得です。
ブレーキパットなどの交換にしても、一般整備のときにはタイヤの脱着の時間も工賃に含まれますが、車検のときには基本工賃に含まれているのでタイヤ脱着の工賃はかかりません。
そして、ブレーキパットの交換工賃なども車検のときにはかなり安く設定している場合が多いですし、店によっては全く工賃をとらないところもあります。
エアクリーナーなんかについても同じことが言えます。
車検のときにはエアクリーナーは外して点検する必要がありますがそれは基本工賃に含まれています。
なので、エアクリーナーの脱着工賃などは基本的にかからないことが多いです。
しかし、車検時以外のときにエアクリーナーの交換だけを依頼した場合には工賃がかかることもあります。
このようなことを考えると、車検のときにもうすぐ交換が必要だなと思える部品に関しては、無理に交換時期を引き延ばすよりも、車検のときに一緒に交換しておいたほうがお得だといえます。
工賃のレバレートについては店舗ごとに考えかたが違うので見積もりを出したときに確認しておいたほうがよろしいでしょう。
それと、車検をしてしばらくしてから部品を交換するというのは面倒ですし、忘れてしまう場合もあります。
車検の時に交換してしまえば再び車を持ち込む手間もかからないし、忘れてしまうこともないので安心です。
車検のときに無理に交換しなくてもいい部品
現代の車は車検のときになんでかんで交換が必要という部品は少ないです。
スパークプラグなどはイリジウムプラグや白金プラグなどを使用している車が多く、10万km無交換で点検不要などという場合が多いです。
車によっては20万kmで交換などというものもあります。
ですから、必ずしも車検時に交換する必要はないので自分の車の消耗部品が何kmで交換が必要なのかをユーザーが把握していないと、悪徳業者によっては必要のない部品をいいように勧められて交換してしまうこともあります。
自分の車のメンテナンスノートを見て交換時期などを確認しておけばそれらの心配も少なくなります。
スパークプラグなどは車によってはボンネットの裏側にプレートが貼ってあって、そこに交換時期が記載されている場合もあります。
それを確認して、まだ交換時期には早いと判断できたなら、お店で交換を勧められても無理に交換する必要はないでしょう。
車検のときにできれば交換しておきたい部品
車には定期的に交換しておいたほうがいい部品というものがあります。
定期的に交換しておくことによってトラブルを未然に防ぐことで、車をより安全に走らせることができるからです。
それではどのような部品がそうなのか見ていきましょう。
エンジン関係
・エンジンオイル、オイルフィルター
エンジンオイルは車を維持するうえで最も交換サイクルが短いものです。
メーカーでは5,000km~10,000kmを交換時期に指定しているものが多いです。
エンジンオイルは走らなくても劣化してしまうので、例え1年間に5,000km走らなくても、できれば半年に1回は交換することをおすすめします。
オイルフィルターは毎回交換する必要はないので、エンジンオイル交換2回に1回交換すれば充分です。
エンジンオイルの交換は車検の時期に合わせることはないですが、車検と一緒に交換することで工賃などをサービスしてもらえることもあるので、そのような時には少し早くても一緒に交換したほうがお得です。
エンジンオイルの交換時期は、お店によって3,000kmであったり5,000kmであったりとさまざまですが、一般的には5,000kmで交換すれば充分です。
ただし、スポーツタイプのエンジンやエンジン回転を上げて走行する機会の多い車については3,000kmで交換するのもいいでしょう。
・ベルト類
エンジンのベルト類は切れたりしてしまうと走行できなくなってしまうので、早めに交換したほうがいいです。
ファンベルトが切れた場合には、バッテリーの充電もできなくなってしまうし、冷却水を冷やすこともできなくなってしまうので、オーバーヒートを起こしてしまうこともあります。
また、車によってはタイミングベルトという物が使われている車種もあります。
タイミングベルトは、エンジン内部のカムシャフトとクランクシャフトを繋ぐベルトで、外からは傷み具合を識別できないので、距離数で交換時期が指定されています。
タイミングベルトは国産車の場合、10万kmごとに交換とされていますが(外車の場合にはもっと短い)切れたりしてしまうとエンジン破損ということにもなってしまうこともあります。
そうなってしまうとエンジンのオーバーホール又はエンジンの載せ替えが必要になってしまうので、高額な整備代がかかってしまいます。
タイミングベルトの交換はお金がかかるので、お客様の中には今回は車検だけを通して壊れたら買い替えるからしなくていいや、と言うかたもいますが、もしも走行中にタイミングベルトが切れたらエンジンが止まってしまうので、大事故にもなりかねません。
タイミングベルトを交換しないのだったら、車検も受けないで買い替えも検討したほうがいいでしょう。
ブレーキ関係
・ディスクパット
ブレーキは車が走るうえでもっとも重要な部分です。
ブレーキ関係のトラブルは重大な事故につながる可能性が高いので、点検整備ではもっとも気をくばる箇所です。
ブレーキパットは減ってくればシャリシャリと異音がしてきますので、そのような異音が聞こえたら交換時期と考えていいでしょう。
それをほっておくと今度はブレーキを踏むたびにガーと大きい音がします。
そうなってしまうとブレーキのローターまで減ってしまっている可能性が高いので、早急に修理が必要です。
ブレーキローターまで減ってしまうと、ローターの研磨とか交換が必要になってしまうので余計な出費が発生してしまいます。
そうなる前に、車検時にブレーキパットが残り4mm以下だったら交換しておいたほうがいいでしょう。
・ブレーキキャリパー
ブレーキキャリパーはブレーキパットをディスクローターに押しつける役割をもっています。
ブレーキキャリパーのトラブルは主に中のピストンとキャリパーの接触面が錆びてしまって、動きが固くなってしまうことが多いです。
そうなってしまうとブレーキが引きずる原因になってしまい大変危険です。
できれば車検2回に1回はオーバーホールすることが望ましいですが、現実的にはそこまでしている方は少数です。
なので、ブレーキの引きずりをいち早く察知する為には日頃から点検を怠らないことが大切です。
ブレーキが引きずると、エンジンの力が弱く感じたり、燃費が悪化したりするので、そのようなことを感じたら自動車整備工場で早めに点検してもらうことをおすすめします。
・ブレーキオイル
ブレーキオイルは車検時にしか交換することがないので、車検時には毎回交換をすることが望ましいです。
ブレーキオイルは走行距離が少なくても時間が経てば劣化してきます。
ブレーキオイルが劣化すると、ブレーキの効きにも影響を及ぼすために、ほとんどの整備工場では毎回交換を推奨しています。
車の予防整備の重要性
車の予防整備とは、車の消耗品などを部品が消耗しきらないうちに早めに交換しておくことで、車の故障を未然に防ぐことが目的の整備です。
ブレーキのディスクパットにしても、異音などがしないうちに早めに交換しておけば、ローターなども傷をつけることがなく、余計な出費もしないで済みます。
予防整備をきちんとしておけば、車も長持ちし、安心して車に乗ることができます。
基本的に自動車整備工場では車検時に消耗品が次回の車検まで持ちそうもないと判断した時には、ユーザーに交換をすすめています。
ですから、車検時の金額がそのぶん高くなってしまうことは避けられません。
しかし、今現在異常がないところを整備すれば過剰整備と思われてしまうこともあります。
そう思われないようにする為には、いかにユーザーに納得いく説明ができるかというところも整備工場の腕と言えるでしょう。
まとめ
車検時の部品交換はできるだけ少なくして、工賃を少しでも安くあげたいのはあたりまえのことです。
しかし、車検時に部品を交換することによって、あとあと余計な出費を出さずにすむこともあるので、トータルで見た場合には得をすることもあります。
車検以外のときでも定期的に点検整備をしているかたなら、車検の時でなくあとからの交換でも良いでしょうが、車検時しか車の整備はしない、というかたなどは車検時に交換してしまったほうが後々損をすることがないでしょう。
ただし、悪質な業者では必要のないものまで交換を勧めることがあるので、お店選びは慎重にしたいところです。
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